Take your Time,Take your Life

クラシックギター、ソロギター、カメラ、音楽、映画がすきです。

MENU

#Filmisnotdead 出展前夜

5月26日から6月1日に原宿の「デザインフェスタギャラリー イースト」で開催された『#filmisnotdead -Film Photography Exhibition-』に出展してきました。右も左も分からない初めての出展でしたが、なんとかカタチにすることができました。ちょっと時間は空いてしまいましたが、その経緯をブログに残しておこうかと思います。

 

 

<フィルムを愛してやまない人のための、 フィルム写真だけの写真展>


スマートフォンをはじめ、デジタル一眼レフ、コンパクトデジタルカメラなどで 誰もが気軽に、そしてきれいに写真を撮れるようになった現代。 テクノロジーの発達による写真文化の隆盛は、旧時代のフィルムを使った写真独特の風合いにも光をあてました。
しかし一方では、フィルムの一部銘柄が生産中止になったり、現像薬品や印画紙の価格が高騰するなど、デジタルデータの利便性からそうしたフィルム写真製品の市場規模が縮小し続けているのも事実です。
本展示はそんなフィルム写真が主役の、フィルム写真だけの企画展。 展示タイトルは欧米を中心としたフィルム写真愛好家の間で使われているinstagramのハッシュタグ #filmisnotdead=”フィルムは死なない”からとりました。
昨年の第1回開催以来、フィルム人気は徐々に好転しつつあります。 しかしさらなるフィルム写真文化の発展のため、本年は参加枠を拡大。
より多くの人にフィルム写真の魅力を発信する展示となります。 

 

『#filmisnotdead写真展』はオフィシャルサイトの企画コンセプトにある通り、フィルム写真のみの展示会です。フィルムカメラで撮影した写真なら何でもOKという間口の広い合同展示で、僕のようなアマチュア愛好家からプロとして活動されている方まで出展者は様々でした。

 

www.takeyourtime.me

 

出展前にブログで書いた通り、僕は写真仲間とひとつのスペースをシェアしての出展。こういった出展自体が初めての経験ですし、僕らの選択したスペースの出展料も約24000円とけっこうお高いので、いっしょにやれる相手がいるのは、正直サイフ的にも精神的にも助かりました。

 

 

f:id:kentarot:20190828055819j:plain


こちらが公式サイトに掲載されたアイキャッチ画像。下の"Kentaro「するひと」"が僕の展示になります。勤め人のアマチュア写真スキーが初めて写真展に出展するまでのあれやこれやを書いていきたいと思います。写真展に出展してみようと思っている方の参考に、ちょっとでもなれたら幸いです。

 

作品えらび

展示の4週間ほど前からフィルムの選定を開始しました。ちゃんとフィルムアルバムなどで管理をしていないので、クラウドにあるデータやハードディスクの片隅にひっそりと眠っているデータを手掛かりに、フィルムの束をガサゴソやるところから始まります。

ライトボックスが引っ越しでどこかへ行ってしまったので、明るいうちにフィルムの束を窓際で光に透かし、ダーマトを片手にお目当てのネガ探し。見つかったらひとつひとつのネガにチェックを入れていきます。

この作業、やってみると想像以上にたいへんでした。ちょっと疎遠になってしまっている人などが写っていたり、すっかり忘れてしまったイベントの写真がでてきたり、今はもう亡くなってしまった人が写っていたり…ついつい手が止まってしまいます。

それでも、新しく手にしたレンズやカメラでひたすら撮りまくっている喜びのようなものが写真から読み取れたり、36枚撮りフィルムの最後の方がテキトーになっている「フィルム写真あるある」みたいのがあったり、思わず「ふふふ」となってしまう楽しい時間でもありました。

何日間かにわたってやった作業で、様々な脱線もあり、合計すると何時間かかったか分かりませんが、最終的に1000枚ちょいのネガから30数枚を選びました。それぞれの写真に仮タイトルもつけることにしました。「写真にタイトルつけるかつけないか論」は意見が様々ですが、展示の意図としてはあったほうがいいだろうと思った次第です。

 タイトルをつける際にそれぞれの写真の使用機材と使用フィルムをスプレッドシートにメモしておきました。写真好きな人の中にはそういったデータも気になる人がいるかもしれないと思い、展示の際にリストを置くことにしました。

僕は現像時に写真はすべてデータ化していて、「LeicaM4_Elmar50mm_across100_20180429」のように「カメラ_レンズ_フィルム_現像日」というフォルダ名でフィルム単位でデータ管理まがいのことをしているのですが、思わぬところで役に立ちました。

 

作品のプリント

出展の2週間前に、日ごろから仲良くしていただいている『フォトデポ彩色兼美』さんという写真屋さんのラボに行きプリント作業をしました。選定の段階で35㎜と6×6をどちらも展示したくなり、店長さんと相談。

やりたい展示の仕方の一部がスクエアである必要があったこともあり、迷った末に35㎜をトリミングし、全てスクウェアフォーマットで展示することにしました。インスタグラムの現代性みたいのも頭の片隅にあったのだと思います。

トリミングした写真を何パターンか用意して見比べたり、濃淡を見比べたり、大まかなレイアウトを考えたりしているうちに7時間ほどの時間が過ぎていました。アドバイスをしてくださり、こちらの要望に丁寧に応えてくださった『彩色兼美』さんにはホント感謝の言葉しかないです。

 

パネルづくり

出展1週間前にパネル作りにとりかかりました。写真というのは額装、そのままピン止め、パネル貼りなど、見せ方の選択肢が山のようにありますが、僕は初めてということもありオーソドックスなパネル貼りにすることにしました。スチレンボードでパネルを作り、それを「ひっつき虫」という簡易接着剤で展示スペースの壁に貼るだけのシンプルな展示方法です。

 

コクヨ ひっつき虫 はってはがせる 粘着剤 タ-380N

コクヨ ひっつき虫 はってはがせる 粘着剤 タ-380N

 

 

 

写真が200㎜×200㎜のスクウェアなので、603㎜×455㎜のA2サイズのスチレンボードをカットして使うことにしました。ボード1枚から3×2で6枚の正方形パネルが作れる計算です。

厳密には写真の大きさは200㎜なのでちょっとパンの耳みたいな部分ができてしまうのですが、603㎜から3mmを落として600㎜にしたものを3分割するにしても、201㎜に三分割したものをあとで1mmをそぎ落とすにしても大変そうなので、シンプルに201mmの三分割にしました。ためしに貼ってみると1㎜の余りはまったく気にならない感じでした。

写真の印画紙の反りに引っ張られないように、ボードにはある程度の厚みが求められますが、200㎜四方でしたらサイズ的にはボードの厚さは5㎜で問題なかったです。僕が購入したのは下記の10枚入り。たぶんこのくらいのサイズでパネルを作るには一番リーズナブルなんじゃないかと思います。

 

 

左手に定規を持ち、右手にカッターを持ち、暑さ5㎜でA2サイズという、生活空間にあるとちょっとギョッとするサイズの板をひたすら切っていきます。 

 

プラス カッターマット 両面 A2 450×600mm グリーン 48-586

プラス カッターマット 両面 A2 450×600mm グリーン 48-586

 

 

 作業はこちらのカッターマットの上で行いました。このマットをテーブルにマスキングテープなどで固定するだけで簡易作業台の完成です。調子に乗って切っていたら、マットごとズレそうになってヒヤッとしたので、途中からマスキングテープの量をふやしてガッチリ固定しました。(カッターである程度大きいものを切るときは、マットの固定は養生テープなどできちんとしたほうが良さそうです)。

 

定規はプラスチック製のものだとカッターに削られてしまうので、アルミ製のものを使用しました。本当は直角定規の方がいいのでしょうけれど、200㎜四方程度なら問題なくいけました。AMAZONで644円とお手頃なので、一家に一本あってもいいかもしれません。

 

シンワ測定 アルミ直尺 アル助 シャイニングブルー 60cm 65434

シンワ測定 アルミ直尺 アル助 シャイニングブルー 60cm 65434

 

 

「刃物はケチらない方がいい」と聞くので、初めてちょっといいカッター(といっても700円くらいですが)も買いました。オルファのこちらのやつです。グリップもよく、カッター自体にある程度重さがあるので安定して使えます。切れ味鋭く、思った通りのカットができるなかなかのワザモノです(直線しか切ってませんが)。

 

オルファ(OLFA) 大型カッター リミテッドNL Ltd-07

オルファ(OLFA) 大型カッター リミテッドNL Ltd-07

 

 

スチレンボードをマットに置く、採寸してガイドラインを鉛筆で書く、定規をあてる、カッターで切る。このいつ終わるとも知れぬ作業をひたすら繰り返します。半分くらい終わったところで、「なんで30枚も展示することにしたんだろう」と自分を呪ったりもしました。

 

この作業、ボードをまとめて切ってからまとめて写真を貼り付けたほうが効率はいいのでしょうけれど、2,3枚カットし終わったら、写真を実際に貼ってみてパネルにしながら進めていった方がいいかもしれません。完成品のチェックという意味もありますが、実際にパネルに貼ったモノが積みあがっていった方が、高揚感があって精神的にラクなんじゃないかと。

 

レイアウトをきめる

定規スキルとカッタースキルが我ながらちょっと上達してきたなー、と感じ始めるころに、すべてのパネルが完成しました。こういったインスタントな作業あるあるですね。

僕が使える展示スペースが横幅1200㎜なので、それに収まるように写真の並びを決めていきます。200㎜のスクエア写真を構想したレイアウトの5列×6段で並べてみると1000㎜×1200㎜。都内の決して広くはないマンションのフローリングの上に置いてみると、それなりに壮観でした。

ここからは並び順の模索です。「男女比をどうしよう?」「被写体との距離感で分けようか?」「シチュエーションで分けようか?」「アレとアレがかぶってるんじゃないか?」「被写体の視線はどうか?」などなど、正解の分からぬパズルにうんうん言いながら取り組みます。

 

f:id:kentarot:20190826063851j:plain

 

 左上に展示タイトル、右下に各写真のタイトルをまとめて記載することにし、並び方が決まりました。これで準備は終わりですが、なにしろ初めての出展なので、どこまで準備すれば終わりなのかはよく分かりません。とりあえずやれることはやったということでレイアウト決定稿の写真を撮り、搬入用の紙袋に写真をしまいました。

 

出展編につづきます。

www.takeyourtime.me

高円寺阿波おどり2019を撮る

 『高円寺阿波おどり』にハマってしまい、4年連続で通っています。力強い鳴り物と美しい踊り、色とりどりの衣装、かわいい子供たちの列、粋なおじいちゃんの足運びなど、見ているだけでなんだかナゾのエネルギーが湧いてくる、夏の終わりの楽しみのひとつです。

 

www.koenji-awaodori.com

 

 開催の二日間は高円寺の街は一変します。ありとあらゆるところに出店が出て、食べ物から飲み物までそのへんで売っていて、それに合わせて露店で小物やアクセサリーを売っている人もいます。町全体がまさに縁日といった雰囲気。

 到着するとさっそく高円寺名物のガード下でも踊る連(れん:踊り手のグループのこと)が。そこに見物の人だかりができていますが、その横ではビールケースに座って、小さいテーブルに広げられた焼き鳥や枝豆をビールで流し込ん出る人々が。まさに高円寺スタイルといった感じです。

 ちょっと見物してるうちにアガってきたので、高円寺の有名店「大将」にイン。焼き鳥ともつ煮とから揚げとトマトのピクルスをビールでかっこみエネルギー補給。これからの見物に備えます。

 

一昨年、昨年は「桃園演舞場」で座って見物していたのですが、今年はちょっと違う距離で見てみたいと「ルック第1演舞場」へ。

 「桃園演舞場」は幅も広く、通りの両サイドに2,3列にわたってシートが敷かれてているため、踊り手の列とちょっと距離がある感じ。ここで写真を撮っている人はだいたいがかなりの長物を持ってきているイメージがあります。

 最近は50㎜や35㎜の単焦点をメインに使っていることもあり、もう少し近いところで見れたらと、今年は道幅の狭い「ルック演舞場」へ行ってみたのでした。

 車がすれ違えないくらいの幅の商店街の通りが演舞場に指定され、通りの両サイドに人が鈴なりになっています。踊りの列との距離はツール・ド・フランスの山岳ステージくらいといったらいいのでしょうか。前に出すぎると踊り手とぶつかってしまうくらいの近さです。(実際、踊りの横を通らないようにアナウンスがされていました)

間近で見る阿波おどりは迫力満点で、打ち鳴らされる太鼓の振動がカラダに伝わってきます。酷暑は去ったとはいえ、まだまだ残暑の厳しい中、懸命に踊る人々をみているとこちらもついついアツくなって、足や手が勝手に動きだします。まさにまんまと「踊る阿呆に見る阿呆」を体現してしまうワケです。

ビールとレモンサワーを飲み続けていたのもあり、祭りの後半はもうノールックでプレビュー表示もせずにテキトーにシャッターを切ってる感じでした。でもいいのです。阿波踊りなんですから。というわけでビールを飲み飲み、踊りながら撮った写真など。

 

f:id:kentarot:20190827062855j:plain

f:id:kentarot:20190827062804j:plain

f:id:kentarot:20190827062837j:plain

f:id:kentarot:20190827062913j:plain

f:id:kentarot:20190827062818j:plain

(すべてLeica M10/Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC)

カッコよすぎる男衆のみなさん。いやあ、光ってるぜ!いい顔してるぜ!

というわけで35㎜などを使ってスナップを撮るのが好きな方には「ルック演舞場」はオススメ撮影エリアなんじゃないかと。

そして、高円寺阿波おどり本当に最高です!

 

www.takeyourtime.me

川越で花見&写真さんぽ

川越在住のカメラ仲間が花見&写真さんぽに誘ってくれたので、一か月ほど前に購入したLeica M10をもってカメラさんぽしてきました。少し肌寒い日でしたが、日差しの下はあたたかく、楽しく撮り歩くことができました。

 

f:id:kentarot:20190407200354j:plain

f:id:kentarot:20190407195640j:plain

 

喜多院には出店も多く出ていて、つまみからお酒までなんでもそろう充実ぶり。たいへんな賑わいで、地元の方々や観光客が杯を酌み交わし、思い思いに春の一日を楽しんでしました。

 

f:id:kentarot:20190407195859j:plain

われわれも桜を見ながら屋台で日本酒とつまみを調達してパシャリコパシャリコ。

 

f:id:kentarot:20190407200257j:plain

 

街を少し歩き、新河岸川の桜堤へ。海外からの写真好きもたくさん訪れ、カメラを持っていない人を探すのが大変なくらいの盛況ぶり。まだ慣れぬ新しいカメラを手にパシャリコパシャリコとファインダーをのぞき、ピントを合わせる楽しい日曜日。

 

f:id:kentarot:20190407200424j:plain

新河岸川は流れも穏やかで映り込む桜も本当に美しかったです。この美しさを切り取る腕前が無いのが本当に悔やまれますが、まあ、それはそれということで。

 

f:id:kentarot:20190407194659j:plain

なんだか新海誠監督チックな一枚。また桜の花咲くころに訪れたいものです。

ノエル・ビリングスリー GGサロンリサイタル ご来場ありがとうございました

去る3月3日にGGサロンにて開催しました『ノエル・ビリングスリー ギターリサイタル』無事に終了しました。ご来場いただき誠にありがとうございました。

 

www.takeyourtime.me

 

僕は会場設営と受付担当をしていたので、リハーサルを少し聞いた以外は本番の演奏を聞くことはできなかったのですが、お客様の反応を拝見するに楽しんでいただけたようで、うれしく思っています。

 

『アストゥリアス』『アルハンブラ宮殿の思い出』など有名なスペインもの中心に、『早春賦』のギターアレンジなどをちりばめ、大曲としては彼が得意とするブリテンの『ノクターナル』を入れ、聞きごたえのあるプログラムになっていたのではないかと思います。

ノエルさんのルーツでもあるイギリスの曲として、ラブレディの『今朝オマーに再び陽は昇った』も取り上げてもらいました。こちらは録音も少なく、演奏される機会もあまりない曲ですが、非常にクラシックギターらしい技巧が盛り込まれた聞きやすい曲で、楽しんでいただけていれば幸いです。

ギタリストの福田進一先生はじめ、スペインギター協会の諸先生方にも足を運んでいただき、そして予想を上回るたくさんのお客様にご来場いただけました。

沖縄から演奏者を呼んでの演奏会ということで心配なこともたくさんありましたが、無事に終えることができ、胸をなでおろしております。

今後、全国各地での演奏も増えていく演奏者の、GGサロンデビューのお手伝いができたこと、大変うれしく思っています。ノエル・ビリングスリーの名前をどこかでお見かけの際には、また足を運んでいただければ幸いです。

ご来場、ご支援、誠にありがとうございました。

 

f:id:kentarot:20190407150854j:plain

(爪を磨くノエル。本番前の楽屋にて。Leica M4/Summrit 50mm/Rollei RPX400)

 

センチ単位でオーダーできる「ルミエール カメラ」のロープストラップ

カメラのストラップというのは、実用性だけではなく個性の表現やファッションとしての楽しみがあるもので、何がいいとは一概に言えないものですが、僕が2年ほど使ってオススメするのはクライミングロープなどを使用した丸紐型のストラップです。

一般にカメラに付属してくるものは、メーカーのロゴを冠したナイロン製か革製で形状は平紐型のものが多いです。ライカQに付属しているストラップも革製の平紐で、ロゴが小さく刻印されてるシックなデザインは好きなのですが、いただけない点もあります。

まずは長すぎるということ。ユニバーサルな規格、あるいはドイツでのサイジングではあの長さでも問題ないのでしょうが、日本人の標準体型にとってはいささか長すぎるもので、首から下げるとブラブラしすぎますし、ベルトのバックルなどにあたることでキズの原因にもなります。

そして、もう一点はリングカバーがついてないため、カメラの軍艦部エッジに金属製のリングが当たってしまい、同じくキズがついてしまうことです。こちらは各メーカーから展開されているリングカバーを買うことで対処できるのですが、どうせならということでストラップごと変えてしまおうと思い立ったのが2年前のことでした。

 

平紐型はデザインも多く、見た目も惹かれるものも多いのですが、気になる点があって、それはハンドストラップのように右手に巻き付けて使おうと思ったときのフィット感というか「手へのなじみ」が弱いという点でした。

また、首からかけたり、たすき掛けしたり右手に巻き付けたりなどを繰り返していると紐がねじれやすいというのもストレス原因になります。

 

カメラ仲間にFUJIFILM Pro2に丸紐型のロープストラップを使っている人がいるので、ちょっと触らせてもらったところ、手に巻き付けたときのしっくりくる感じがあり、また平紐ストラップにありがちなストラップのねじれも無いため、次第に「丸紐にすべえ」と思い始めたのでした。

 

ちょうどそのころハービー・山口さんのワークショップに参加して、ハービーさんの使用されているカメラなどを見せてもらったのですが、ハービーさんが使われていたのが丸紐型のロープストラップでした。

 

f:id:kentarot:20190326091137j:plain

(Leica Q)

ワークショップが終わって調べてみたところ、こちらはExtendede Photograohic Material社の「YOSEMITE CAMERA STRAP(ヨセミテカメラストラップ)」のようでした。(ちなみにカメラは「Leica M-P(Type240)」でレンズはLomography主催のワークショップだったため「Lomo LC-A MINITAR-1 Art Lens 2.8/32 M」をお使いでした)

「これだ!」とポチろうと思ったのですが、首からかけられるものはサイズ展開が105㎝~からとちょっと長すぎでした。写真を見ると分かると思いますが、ハービーさんもロープにコブを作って長さを調節されているようでした。

丸紐かつ短いストラップはないものだろうか?(できれば安く)と探してみたところ、みつかったのが「ルミエール カメラ」社のロープストラップでした。

 

lumierecamera.blog77.fc2.com

 

こちらはパラシュートに使われているコード(ロープ)でできているそうで、強度も問題が無さそうです。ヨセミテストラップで使われているクライミングロープと、こちらのパラシュートコードにどのくらいの強度の違いがあるか分かりませんが、おそらく1kgにもみたないカメラを吊り下げるにはどちらも問題が無いかと思われます。

80㎝~140㎝で長さの指定ができて、自分のカラダの大きさや使い方に合わせられるので、だいぶ購入に前のめりになりました。

 

ストラップのリングは「標準リング」と「細いリング」の2種類から選べるのですが、Leica Qだとどちらがいいのかがよくわかりませんでした。メールで質問してみたところ一日もたたずに画像検索してくださって「シャッター側の軍幹部エッジがアイレットから近いので、径の小さい「細いリング」で作ったほうが、軍幹部にリングが直接当る心配が無さそうです」という回答をいただけました。

丁寧に対応していただけたのもあり即オーダー。色は「BLACK」で、サイズは96㎝に指定しました。僕は身長が168㎝のやせ型の男性ですが、この長さだと首から下げてもベルトのバックルにあたらず、かつ、厚手のコートなどを着ていてもストレスなくたすきがけ出来ます。

 

f:id:kentarot:20190326085130j:plain

メール便で送られてきて、オーダーから受け取りまでは4日程度だった思います。ロープの径は7㎜でしなやかで滑ることもなく、手になじみ、手に巻き付けるのも楽です。右手に巻いて使ってから、首からかけたり、たすき掛けにしたりと、いろいろ持ち方を変えた際にもストラップがねじれることもありません。

幅の広い平紐型ストラップに比べれば、表面積が狭くなる分、どうしても重量分散の点では劣りますが、ライカくらいの重さのカメラであればまったく問題ないです。

 

f:id:kentarot:20190326085154j:plain

アイレット部分の拡大画像です。軍艦部にあるキズはQに付属していたストラップをリングカバーなしで使っていた時のもので、ロープストラップに変えてからはキズはついていません。2年ほどこちらのストラップを使っていますが、特に不便だと感じたこともありません。

 

注文は「ルミエール カメラ」のサイトには専用のオーダーフォームなどはないため、メールで指定されたフォームを入力してオーダーする形です。支払いも銀行振り込みのみですが、丁寧に対応していただき、発送までもとてもスムーズでした。

商品価格は税込みで5000円。送料が120円です。サイズオーダーができることもあり、上述の「EXTENDED」ヨセミテストラップ(10800円)や、「ARTISAN & ARTIST」のシルクストラップ(15120円~)、のLeica純正のスロープトラップ(7560円)に比べるとだいぶリーズナブルな価格設定なのではないかと思います。

 

もし現在使っているストラップにストレスがあったり、丸紐ストラップを使ったことが無い方は、ストラップ交換時の選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。見栄えはミニマルで主張がないため、個性的なストラップが好きな人には向かないと思いますが、使ってみるとその便利さとフィット感にハマるのではないかと思います。

 

www.lumierecamera.com

イオンシネマ板橋で見る『さらば青春の新宿JAM』は格別

新宿ピカデリー、池袋シネマロサ、MOVIX昭島と11月の公開から3回にわたって鑑賞してきた我らがコレクターズの映画ですが、いよいよリーダー(加藤ひさしさん)第二の故郷ともいえる「イオンシネマ板橋」での公開が決まったので、宣言通り行ってきました。

www.takeyourtime.me

 

最寄り駅は東武東上線の「東武練馬」。僕は同じく東上線の大山に10年ほど住んでいたのもあり、このあたりはときどき訪れる場所でした。熊谷でモッズの洗礼を受けた若かりし加藤青年は、その後一度就職のために上京するのですが、その時に住んだのがまさにこの東武練馬。

パーソナリティをつとめている人気ポッドキャスト番組『池24』(池袋交差点24時)でも板橋のイオンを「ぬかった格好」で歩いているという話もしていて、こちらのイオンシネマもファンの聖地のひとつといってもいい場所です。

 

イオンシネマ板橋にはどうやら非公認ながらリーダーが来ているという情報が出ていたので、ホワイエなどで会えたりできたら…と以前いっしょに撮っていただいた写真とサインペンを持って行ったのですが、残念ながらそこでお会いすることはかなわずでした。

公開してから4か月が経過し、お客さんの入りはそれなりに淋しくなってきてはいますが、出演者が劇場に来るということもあり、まずますの入りでした。

映画を見るのは4回目ですが、やはり最後のシークエンスは何度見てもいいものです。何度見てもビールが飲みたくなります。あそこまで極上のビールを飲むことは生涯できなさそうですが。

 

上映後にリーダーが登場し、このエリアに生活していたころの思い出をいろいろと聞くことができました。

実は板橋側ではなく、東上線の線路を挟んだ練馬区の北町地区に住んでいたこと。娘さんとポケモンを見に来たり、ここでたくさんの映画を見ていたこと。上京してすぐに住んでいたアパートで「ぬかった格好」で大家さんの部屋に家賃を払いに行ったら、大家さんが亡くなっていて非常に気まずい思いをしたこと、駅前のKFC(今はちょっと店の場所が変わってしまった)でケンタッキーの洗礼をうけたこと。

もちろん映画の舞台でもある「新宿JAM」にもここから通っていたことになり、東武練馬周辺がまさに「青春の住処」だったのだと感じられるトークでした。

 

いわば熊谷に続く第二の凱旋とでもいうのでしょうか。ミュージシャンや表現者としての加藤ひさしではなく、80年代に上京してきた一人の青年としての、あるいは父親としての、いわば「ふつうの人間としての」加藤ひさしの「ふりかえる夜」に立ち会たことは、なんだかこう、人生が豊かになったように思えることでした。

「おじいちゃんのおしっこのように」とリーダーが言っていましたが、まだ映画は続いています。この先もどこかで誰かの扉をたたいていってほしい。そう願うばかりです。

 

f:id:kentarot:20190324122955j:plain



 

終わらない『扉をたたいて』 さらば青春の新宿JAM@爆音映画祭

昭島MOVIXの爆音映画祭で我らが『さらば青春の新宿JAM』がかかるとのことで、青梅線に揺られて行ってまいりました!

 

www.bakuon-bb.net

映画祭は『バーフバリ』に『マッドマックス 怒りのデスロード』に『ボヘミアンラプソディー』とビッグタイトルぞろい。製作費的にも興行収益的にも相手としてはかなり手ごわいです。

異例のロングランを続けている『さらば青春の新宿JAM』とはいえ、手ごわい対バン相手に押され気味になってしまうのかと思いきや、お客さんがけっこうきていて嬉しい!『池袋交差点24時』で、お客さんが3人しかいなかったとか5人しかいなかったとか、寂しい話を聞いていたので一安心です。

映画館についてトイレに行ったところでDUST AND ROCKS(THE COLLEECTORSのギタリスト・古市コータローさんが手掛ける古着屋)のキムタクさんとばったり。「非公認」さんといっしょにいらしていてご挨拶。

前から四列目のセンターという好位置のシートに陣取り、三度目の『さらば青春の新宿JAM』を見てきました。思っていたより爆音ではなかったですが、ライブシーンの音がかなりリアルになっていて、拍手の音や歓声が臨場感をアップさせてくれます。

PAというか生放送のミキサーみたいなポジションの人が、つきっきりで映画の音響をコントロールするのかと思っていたのですが、あくまで爆音映画祭のために音源をいじってプリセットされた設定で流しているとのことでした。

リーダーが池24で話していたようなDJスタイルの映画祭、設備的な問題もありますが、ぜひ実現してほしいものです。

さて、映画は新宿ピカデリー、シネマロサに続いて三回目ですが、やはりラストには感動。『扉をたたいて』、リーダーからコータローさんへの告白シーン、ライブ後にひさしぶりにビールを飲むという一連のシークエンスは、何度みても心が揺さぶられます。

上映後は爆音映画祭の仕掛人の樋口泰人とリーダーを招いての舞台挨拶。リリーさんの声にものすごいウーハーが聞いてしまっている事情など、音源編集上の裏話など聞けて面白かったです。

サイン会で間近に見るリーダーはやはりカッコいいです。糖質制限もあってかどんどん細くなって「ザ・ロッカー」という感じになっていっている気がします。一方で風邪などひきやすくなったといっていたので、体にはご自愛いただきたいところですが。

 

f:id:kentarot:20190310141308j:image

いよいよ今週はリーダー第二の故郷「板橋のイオンシネマ」で『さらば青春の新宿JAM』がかかります。家から近いこともあるのでもう一度「扉をたたきに(たたかれに)」行ってきます。