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『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』で知ったモリの一面

東京国立近代美術館でやっている「モリ」こと熊谷守一の回顧展にいってきました。岐阜出身でいまの要町あたり(いわゆる池袋モンパルナス)に住んでいた仙人のようなルックスの画家です。住まい跡地には熊谷守一美術館が建設され、現在は豊島区が運営しています。(こちらの美術館もこじんまりとしていてオススメです)

このたび開かれた展覧会は没後40年ということで、日本中から集められた200点以上の作品を集めた見応えのある展示。海外の画家からの影響がわかる構図比較や、手法の軌跡などとても面白い展示でした。

4歳で亡くなった息子さんを描いた『陽の死んだ日』は見ていてかなり「くる」絵でした。息子さんの死に顔を前にそれでも絵筆をとっている自分に気づき、30分でやめてしまったという手記が残されています。

明るい色調の抽象化された動物、昆虫、風景の人というイメージがどうしてもあるので、若いころに「轢死」を題材にして何枚もの絵を描いていたのにも驚きました。

「死を(文字通り)見つめ続けた向こうに、生が立ち上がってくる」こう言ってしまうと、とても陳腐だとも言えるけれど、1人の画家がそれを体現するように作品を残し続けたことを思うと、それを陳腐と言ってしまうのはやはり難しく感じられました。

モリといえば猫の絵、といっても過言ではないくらいポップで可愛い猫をたくさん描いた人で、グッズもかわいいものがたくさんありました。来年の3月までやっているので、ご興味あればぜひ。また、映画も来春に公開されるらしいです。

 

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(LEICA Q/Summilux 28mm f1.7)

写真は最寄り駅の竹橋駅構内。タイルにマスキングテープアートがほどこしてあってちょっと面白かったです。