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BarbourオイルドジャケットをFJALLRAVENグリーンランドワックスでリプルーフする

いろいろな思いから手に入れてしまったBarbour(バブアー)のBEAUFORT(ビューフォート)オイルドジャケットですが、約5時間の作業を終えてオイル抜きをした結果、ふつうのコットンジャケットになってしまったため、防寒性と防風性は下がってしまいました。(たぶん防水性も)

 

kentarot.hatenablog.com

 

Barbourのオイルドジャケットは、通常はのBarbour公式のワックス(ソーンプルーフドレッシング)を使用して「リプルーフ」と呼ばれるオイルの再塗布を行い、また元の状態に戻すことが推奨されています。

 オイル臭の無いワックスも販売されていて、ニオイについては問題ないというレビューが多いですが、べたつきについては触れられていないので、やはり公共交通機関に気兼ねなく乗るのは躊躇されるのではないか、と思ってしまったわけです。

 

そんなこんなで公式のワックスの代用品としてリプルーフできるものを探していたところ、ある動画を見つけました。

 

www.youtube.com

軍用テントを石鹸みたいなワックスで防水加工するという動画です。ここで使われているワックスは「Greenland Wax(グリーンランドワックス)」というもので、蜜蝋とパラフィンでできているとのことでした。

 

ググってみるとこのワックスを自作している方も多いのですが、なんとKANKEN(カンケン)バッグで有名なFJALLRAVEN(フェールラーベン)で市販されているということを知りました。

 

こちらは商品名の通り、フェールラーベン社の「G-1000」というアウトドアウェア専用のワックスで、Barbourのソーンプルーフと同じく、再塗布してウェアの防水性や防風性を上げるのに使われるもののようです。

調べてみるとコットンなら何でも使えそう(たぶん)で、一昔前にあった(今でもあるのか?)アダムエロぺのパラフィンコートパンツなども要はこれと同じ処理をしているようでした。

 

これは…Barbourのオイル抜きジャケットにも使うことができるんじゃないか…いやできるはずだ、ということで「グリーンランドワックス」という福音に救いを求めることにしたのです。

 

AMAZONでポチっても良かったのですが、ちょうど新宿に用があったので、新宿の小田急ハルク内のFJALLRAVENショップで割と簡単にゲット。1620円でした。

 

というわけでソーンプルーフの代用品としてフェールラーベンのグリーンランドワックスをオイル抜きしたBarbourジャケットに塗っていくことにします。(公式に推奨されていないあくまで自己満足のリメイクです。予めご了承ください)

 

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ワックスのサイズ感はこんな感じです。ふつうの石鹸やトランプのサイズといったところでしょうか。

 

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非常に簡単な取説が箱に書いてあります。3)の「リピート」がこの作業のすべてを物語っています。 必要なのはただただ根気です。

 

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紙製の外箱をあけると、直にワックスが入っています。匂いをかいでみたところ、まったくの無臭です。

 

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素手で持って擦り付けるように塗っていきます。でっかいクレヨンでデコボコのある画用紙に塗っていくような感じでしょうか。体熱で溶けることも特にありませんでしたが、気になる人は軍手などをした方がいいかもしれません。

 

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ワックスを塗った跡には薄い白い層ができます。これをアイロン(もしくはドライヤー)の熱で溶かすことで繊維の中にワックスを浸透させ、防水(撥水)加工していくというワケです。

 

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どんなふうに色合いが変わるのかが心配だったので、まずポケットの裏で色の変化を確認しました。色が濃く出ているところが、アイロンを当ててワックスを溶かしいれた箇所です。

繊維の凹凸があり、そもそもオイル抜きの際の色ムラがあるので均一にはいきませんが、明らかに濃い色になっているのがわかるかと思います。

 

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ポケットのフタの裏地全体にワックスを塗ってアイロンをかけた状態です。ボタン周りはアイロンだと溶かし込めないのですが、こちらはあとでドライヤーで処理していくことにします。

 

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布地の厚みがあって、繊維のヨレもあるので、均等に塗るのがなかなか難しいです。なるべく固いものを敷いてすりつけたほうがワックスのノリがいいので、鍋敷きを敷いてやりました。プラスチック製のまな板のようなものの上でやると良さそうです。

 

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もうひたすらに根気よくこすりつけていきます。必要なのはただただ根気です。前身ごろや背中など広い部分は、ワックスの擦り付けによってシワが寄りやすいですが、あとでアイロンをかけるのでシワは伸ばせます。

 

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ワキ下などは構造が複雑なので塗りにくいですが、まあそんなにワキ下を見せることもないので気にしないでいきます。根気が続かない個所もあります。

 

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ボタンまわりはワックスを塗りづらく、またアイロンの先端が届きにくいのですが、なるべくワックスのカドを使って塗り込み、ドライヤーで溶かしいれると、わりと浸透していきました。右がアイロンだけで処理したボタンまわり、左がドライヤーで溶かし込んだボタンまわりです。ワックスがボタンのまわりにも浸透しているのがわかるかと思います。

 

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半分だけワックスしてアイロンをかけた状態です。色の変化がだいぶわかります。なんとなく元の状態の方が良かったような…という気もチラっとしましたが、雨風に強い子になってもらうために、作業を進めていきます。

 

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ちょっと光の具合が変わってしまったので前の写真と比較しにくいですが、全体のワックス塗布とアイロンがけが終了した状態です。色ムラはどうしてもでてしまいますが、いい味になったと思っておくことにします。ワックスがちょうど洗濯のりのような働きをしているのか、オイル抜きだけした状態よりもパリッとした触り心地になりました。

 

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ジャケット一着分を塗り終わったワックスです。だいぶ残っているので、何度か重ね塗りをして、もう少し色の変化を見てみたいと思います。(箱の取説にも「リピート」とありましたし)こちらのワックスはいろいろなモノに使えそうのなので、エコバッグのような薄手のコットンバッグなどにも塗ってみたら面白いのではないかと考えています。

 

さて、肝心のジャケットを着て外に出て歩いてみたところ、ワックスの塗布によって防寒性と防風性は明らかに増したと感じられました。まだ撥水性能は試してないのでわかりませんが、気長に雨を待ってみたいと思います。

作業にかかった時間ですが22:00に始めて、終わったころには日付がかわって2:00になっていました。4時間にわたって「ワックスかける、ワックス溶かす」の作業をしていたことになります。

作業の段取りとしては、ワックスを塗る作業がけっこう手首に来るので、全体にワックスを塗ってからアイロンをかけるのではなく、「パーツに分けて塗ってはアイロンがけ」というやり方の方がラクかなと感じました。

 

Barbourのオイルドジャケットをオイル抜きして、公式ワックスを使わずにリプルーフする試み。オイル抜きもそうですが、ますますジャケットに対しての愛着が増しました。

ふつうにBarbourの公式ワックスでリプルーフするのがどうしてもためらわれてしまう方には、選択肢の一つとしてアリかもしれません。

 

 

(ハーフサイズの50gのワックスもあるみたいですが、手で持って塗る際にはある程度の大きさがあったほうが力が入れやすく作業がしやすいので、断然100gの方をオススメします)