Take your Time,Take your Life

クラシックギター、ソロギター、カメラ、音楽、映画がすきです。

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終わらない『扉をたたいて』 さらば青春の新宿JAM@爆音映画祭

昭島MOVIXの爆音映画祭で我らが『さらば青春の新宿JAM』がかかるとのことで、青梅線に揺られて行ってまいりました!

 

www.bakuon-bb.net

映画祭は『バーフバリ』に『マッドマックス 怒りのデスロード』に『ボヘミアンラプソディー』とビッグタイトルぞろい。製作費的にも興行収益的にも相手としてはかなり手ごわいです。

異例のロングランを続けている『さらば青春の新宿JAM』とはいえ、手ごわい対バン相手に押され気味になってしまうのかと思いきや、お客さんがけっこうきていて嬉しい!『池袋交差点24時』で、お客さんが3人しかいなかったとか5人しかいなかったとか、寂しい話を聞いていたので一安心です。

映画館についてトイレに行ったところでDUST AND ROCKS(THE COLLEECTORSのギタリスト・古市コータローさんが手掛ける古着屋)のキムタクさんとばったり。「非公認」さんといっしょにいらしていてご挨拶。

前から四列目のセンターという好位置のシートに陣取り、三度目の『さらば青春の新宿JAM』を見てきました。思っていたより爆音ではなかったですが、ライブシーンの音がかなりリアルになっていて、拍手の音や歓声が臨場感をアップさせてくれます。

PAというか生放送のミキサーみたいなポジションの人が、つきっきりで映画の音響をコントロールするのかと思っていたのですが、あくまで爆音映画祭のために音源をいじってプリセットされた設定で流しているとのことでした。

リーダーが池24で話していたようなDJスタイルの映画祭、設備的な問題もありますが、ぜひ実現してほしいものです。

さて、映画は新宿ピカデリー、シネマロサに続いて三回目ですが、やはりラストには感動。『扉をたたいて』、リーダーからコータローさんへの告白シーン、ライブ後にひさしぶりにビールを飲むという一連のシークエンスは、何度みても心が揺さぶられます。

上映後は爆音映画祭の仕掛人の樋口泰人とリーダーを招いての舞台挨拶。リリーさんの声にものすごいウーハーが聞いてしまっている事情など、音源編集上の裏話など聞けて面白かったです。

サイン会で間近に見るリーダーはやはりカッコいいです。糖質制限もあってかどんどん細くなって「ザ・ロッカー」という感じになっていっている気がします。一方で風邪などひきやすくなったといっていたので、体にはご自愛いただきたいところですが。

 

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いよいよ今週はリーダー第二の故郷「板橋のイオンシネマ」で『さらば青春の新宿JAM』がかかります。家から近いこともあるのでもう一度「扉をたたきに(たたかれに)」行ってきます。

 

#filmisnotdead -Film Photography Exhibition- に出展します

 

#filmisnotdead -Film Photography Exhibition-
 
会期:2019.5.26()〜2019.6.1(
 

会場:Design Festa Gallery EAST 101, 102,  EAST アートピース

 

 

5月末に原宿の「デザイン・フェスタ・ギャラリー・イースト」で開催されるこちらの写真展に参加します。

 

designfestagallery-diary.blogspot.com

 

#filmisnotdead (フィルム・イズ・ノット・デッド=フィルムは死なない)は生産終了の情報があいつぐフィルム業界にあって、フィルム写真を応援しようと世界的に使われているハッシュタグです(ほかに#filmisalive とか#buyfilmとかもあったりします)。

展示会もその名の通りフィルム写真オンリーの作品展です。写真仲間が昨年出展していて、今年も出るということで誘ってもらいました。

 

先月末あたりからちょっとずつ作品撮りを始めています。「作品撮り」なんてカッコいい響きですが、ふつうに時間をみつけてはファインダーをのぞき込んでいる日々です。

まだテーマも絞り切れていないので、撮った写真をならべてみて、あとからテーマをつけるみたいな感じになりそうな予感ビンビンですが。

ライカM4で撮ったモノクロ写真オンリーの展示の予定で、何度かお世話になっている近所のラボでセコセコ引き伸ばそうと思っています。

 

www.ama-labo.com

 

初めてこういった写真展に出展するので何もかも手探り状態ですが、見た方にちょっとでも楽しんでいただける展示にできたらなと思っています。

デザイン・フェスタ・ギャラリーは建物自体がおしゃれな空間なので、遊びに気がてら見ていただけたら嬉しいです。

展示会まであと実質三か月。暇さえあればシャッターを切って、あとは写真の神様がほほ笑んでくれるのをひたすら待つのみです。もし近くにお立ち寄りの際には、よろしくお願いいたします。

 

 

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(Leica M4/Summarit50mm f1.5/Rollei RPX400)


金川晋吾、吉田亮人、上田義彦、家族をめぐる三冊の写真集

写真集が好きで、アマチュアながら写真を撮るための刺激を受けたいときや作風に魅入られたときなど(財布に余裕がある限りで)ときどき買っています。

最近手に入れた二冊の写真集がたまたま家族の写真だったのですが、それらを眺めていたら、昔から持っている写真集をまた見たくなったので、その一冊を合わせた三冊をご紹介しようかと思います。

 

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金川晋吾『father』
金川 晋吾 father

金川 晋吾 father

 

 

一冊目は前から気になっていた金川晋吾さんの写真集『father』です。蒸発グセのあるお父さんを中判カメラで静かにとらえた作品集。蒸発というとなにか修羅場のようなものを想像しがちですが、そんなドタバタは無く、ある日ふっといなくなってしまうお父さん。

残された走り書きのメモには「やっぱり生きていくのが面倒くさい」と、書き記してあり、こちらが写真集の帯にも使われています。

ことばだけを見ると何か不穏な想像をしてしまいそうになりますが、蒸発したときと同じく、戻ってくるときも行きつけのスナックにふっと戻ってきているという、ちょっとつかみどころのない人物のようです。

巻末に金川さんが当時書いていた日記が載っているのですが、ぬぐきれない人生におけるシリアスネスからの逸脱というか、なにかこう、空虚ではあるが悲劇的ではないというか、言い表せない虚無を相手にしているようなうすい絶望感に包まれています。

それは大きな絶望感ではなく、毎日足ぶみをしていたら、すこしずつすこしずつ地面がえぐれて行っているような、生命にヤスリがかけられていっているような静かな絶望です。ただ、写真にはそのギリギリのところでの生命力の片鱗のようなものが写っていて、それがまたなんともやるせない気持ちになってしまうというか。

なかなか言葉では表せない気持ちにさせられるのですが(だから写真で表現するのでしょうけれど)、VICEにとても詳しいインタビューが載っているので、興味があったらぜひぜひ読んでほしいです。

www.vice.com

 

 

吉田亮人『THE ABSENCE OF TWO』

 

吉田亮人写真集 The Absence of Two

吉田亮人写真集 The Absence of Two

 

 

もう一冊は、吉田亮人さんの『THE ABSENCE OF TWO』です。こちらは1月に発売されたばかりの新刊で、まだ書店の扱いも多いかと思います。現在出版記念イベントが行われていて、公式サイトではそちらのスケジュールも掲載されています。

 

www.akihito-yoshida.com

 

吉田さんのおばあちゃんと年下のイトコ・大輝さんの二人の生活のドキュメンタリー写真です。生活の様々な面で介助が必要になったおばあちゃんと、それに優しく寄り添う大輝さんの姿がモノクローム写真で綴られています。

こう聞くととてもハートウォーミングな写真集に感じられますが、ページをめくっていったさいごに、写真集のタイトル"THE ABSENCE OF TWO"の意味を知ることになります。

「苦しくて涙が止まらない」「ずっとこの写真のことを考える一日が続いた」…などの反響が帯に記されていてますが、僕もこの写真集を見終わって心穏やかではいられなかったのは確かです。

 

greenz.jp

 

こちらは『KYOTO GRAPHIE京都国際写真祭2017』という写真祭に展示されたもので、その様子は上記の取材記事に詳しく書かれています。ぜひぜひ紙に印刷された写真で見てほしい作品群です。

 

 上田義彦『at Home』
上田義彦写真集 at Home

上田義彦写真集 at Home

 

三冊目はこちら、著名人のポートレートを多く手掛け、広告写真家としても著名な上田義彦さんの『at Home』です。奥さんである女優の桐島かれんさんと、その間に生まれたお子さんたちとの生活を13年間にわたって撮影し続けたファミリーポートレートです。

ライカM4とモノクロームフィルムで撮り続けられた写真群。上田節ともいえる上品な淡いモノトーンの写真集で僕のお気に入りの一冊です。おそらく絶版になっていてなかなかお目にかかることが無かったのですが、数年前にクレマチスの丘を訪れたときにミュージアムショップで手に入れることができました。

残念ながら竹芝にあった上田さんの「ギャラリー916」は昨年閉廊していしまい、おおきなプリントで見る機会は減ってしまいましたが、写真集が手元にあるだけでもまあよかったなと考えるようにしています。

海、洋館のような家、庭、母子、増えていく家族…桐島かれんさんの美しさもあってどこか現実離れした物語のような家族写真です。ただそれもやがては失われていくものであり、それをとどめるささやかな営みが写真だということを強く感じる一冊です。

 

家族に、特に年老いてきた両親にレンズを向けるのは、なんだか難しいと感じるのは僕だけでしょうか。パッと撮るのは大丈夫なのですが、ちゃんと撮ろうとすると、どこか気恥ずかしく、写真を撮る意味を必要以上にあれこれと考えてしまう気がします。

 

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 (富士フィルム30000人の写真展に出した1枚)

LEICA Q(ライカQ)を3年使ってみて便利だと感じている3000円以下のアクセサリー

純正ケースでギャフン

巷ではライカQの後継機「LEICA Q-P」が発表されて、ちょっと中古市場も落ち着いてきた感がある「LEICA Q」。いま購入を検討してる方も結構多いのではないでしょうか。

 

ライカ デジタルカメラ ライカQ(Typ 116) ブラック

ライカ デジタルカメラ ライカQ(Typ 116) ブラック

 

 

僕はちょうど3年前のいまごろ(主に値段的な部分で)さんざん迷った挙句にQを購入しました。ストレスのないオートフォーカス、便利なクロップ撮影、直感的に分かるwifiアプリ、機械式のマクロモード、そしてなにより素晴らしい画を吐き出すSummilux 28mm/f1.7とセンサーにノックアウトされ続けている3年間です。

自然とカメラを持ち出す機会も多くなり、ほぼ毎日のように通勤時も持ち歩いていたので、半年も経つとベースカバーの塗装が削れていました。またフィルムカメラと2台持ちの時に油断してカメラ同士がぶつかってしまうこともあり、純正品のプロテクターを購入しました。

 

こちらのケース、装着感はすばらしく、ホールド感も上がり、一安心と思っていたのですが、なんとケース下部のSDカード、バッテリー交換用の蓋がケースに干渉して開かないのです。一度ネジをまわしてケース自体を外してしまえばもちろん交換はできるのですが、いちいちそんな手間はかけられません。

そもそもの設計ミスなのか、ロットによるバラつきがあるのか、あるいはパチモノが出回っていたのか、当時はネットにあまり情報が無いため調べてもわからず、購入したマップカメラに返品して全額返金してもらうことになりました。

念のため銀座のライカブティックにも行って実物を見せて聞いてみたのですが、「設計ミスやコピー商品の流通といった報告は受けていない」とのことだったので、おそらく僕がつかんだモノが不良商品だったのでしょう。

今回のブログを書くにあたって、改めてネットでレビューをチェックしてみたところ僕と同じように「蓋が干渉して開かない」というレビューがちらほらあるので、ハズレを引いた人はほかにもいらっしゃるようです。

明らかにグリップは良くなりますし、質感などもとても気に入っていたので、別の個体を試そうかと思ったいたのですが、もうあの返品のやり取りなどをしたくないというのもあり、別のものを探すことにしました。

 

FIRST2SAVVV ブラケットキット

そこで発見したのがコチラの「FIRST2SAVVV  L型クイックリリースプレートブラケット ハンドグリップ Leica Q (TYP 116) 用」というハンドグリップつきブラケットキットです。お値段はなんと2700円。アート&アルチザンやゲリズのライカ用のケースなどと比べるとグッとリーズナブルなのではないでしょうか。

 

 

 

2700円なら勉強代として許容できる範囲だったというのもありポチリ。おそらく中国かどこかから船便でくるタイプのもので、本当に届くかどうか半信半疑だったのですが、そんな心配は杞憂に終わり1週間ほどで到着しました。

構造としてはカメラ全体を覆うようなケースではないのですが、コの字型のプレートががっちりとカメラの下部と左右を守ってくれます。そして何より片手で持った時のグリップ感の良さが別物になります。

「LEICA Q」は描画や速射性については何の不満もないのですが、全体的につるんとしたデザインのため、ちょっとグリップに不安を感じていました。いちおう右手親指部分がくぼんでいて、ホールド性を確保するデザインになっているのですが、少し心もとないくぼみです。

仕事で20分くらいの時間内に現場スチルを100カットぐらい撮影することがあるのですが、このグリップ感にはとても助けられています。もちろん街歩きのスナップ時にとっさにカメラを構えるときにも同様です。

 

 

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装着するとこんな感じです。この向かって左側のくびれ部分に中指を添えると、力を入れずスッとカメラを安定させることができます。

見た目はすこしゴツクなってしましますが、もともとカメラ本体に対してレンズがデカいので、バランス的には良くなっているのではないかと個人的には思っています。アルミ製で250グラムとデータ上はちょっと重いですが、一日持ち歩いていてもその250グラムの増量が苦痛に感じたことはありません。

ライカのデザインをリスペクトしてそのままに使うことに美学を感じる方にはオススメできませんが、安全性をあげつつ、実用性を重視して、かつなるべく安くすませたい方には、とてもいいアクセサリなのではないかと思います。

 

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左側はこんな感じです。まさにバンパーといったところ。下部の六角ネジ(レンチは商品に付属してくるので別途購入は不要です)を外すことでこちらのパーツなしで使用することも可能です。全体がマットブラックに塗装されていて、カメラの素材との違和感も個人的にはあまり感じません。

 

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ベースプレートを下から撮ったものです。裏蓋用のスペースが確保されていて、とりつけたままSDカード、バッテリ交換ができるようになっています。三脚用のネジ穴もプレートに切ってあります。(しょっちゅう持ち歩いて、そのへん置いてあるのでホコリだらけです。スンマセン)

 

サムレスト

そして、こちらのプロテクトキットともう一つ重宝しているのが、こちらのサムレストです。お値段はビックリ1650円。純正品が目が飛び出るほど高いライカ製品。もちろんそれを使うステータスがあるのは分かりますが、あまりそこにこだわりも感じないので、僕にはこれで十分かなと感じています。

 

 

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装着するとこんな感じです。塗装の違和感もないですし、グリップ力は段違いによくなります。一点いただけないのはクロップ選択ボタンが押しにくくなります。ただ、これも慣れの問題なので、2,3回持ち歩けばあっという間に慣れます。

 

バッテリー

高機能でWifi連動もありますし、とかくQちゃんは電池をモリモリ消費します。プレビューを切って使うなどマメに省エネして使っている方は大丈夫なのでしょうが、僕はけっこうバッテリの消費スピードが早いです。

というわけで予備バッテリは常に持ち歩いています。こちらも純正品は10000円以上ととにかく高いのでSigmaの互換品(元はSigma dp2 quattro用のバッテリ)を使っています。もちろん純正品の使用が推奨されるために自己責任ということになりますが、こちらの1904円のものを3年使っていて全く問題ないです。

 

SIGMA Li-ionバッテリー BP-51 930394

SIGMA Li-ionバッテリー BP-51 930394

 

 

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記載はいろいろ異なりますが、LEICA Q付属のチャージャーで問題なく充電できますし、非純正品のほうがバッテリ消費が早いなども(少なくとも体感的には)感じません。

 

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参考になるか分かりませんが、Summarit50㎜/f1.5を装着したM4との対比です。そもそもでっかいQちゃんですので、今回紹介したパーツを付けてもそんなにサイズ感は変わらないかなと感じています。

 

というわけで3000円以下で「LEICA Q」を使いやすくするアクセサリ紹介でした。振り回してこその「LEICA Q」。その振り回しやすさをちょっとだけグレードアップしつつ(お金をなるべくかけずに)カメラも守れたらなと。

 

振り回しやすさゆえに振り回しすぎて傷だらけにしちゃうのもちょっと心配、だけど高いケースにお金をそんなにつぎ込みたくないという方にはオススメかと思います。

 

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(代官山にて。LEICA Q)

 

石川直樹さん写真展『この星の光の地図を写す』に行ってきました。

東京オペラシティアートギャラリーにて開催中の写真家・石川直樹さんの写真店に行ってきました。個人の撮影したものでこれだけの規模の展示はなかなかなく、作品数も400点以上の充実ぶり。しかも僕がいった日はご本人が来館してのギャラリートークもありというモリモリな展示日でした。

(※ギャラリー内も撮影可能でした)

 

www.operacity.jp

 

僕は10年前には1人で北アルプスにでかけて、大キレットを踏破するくらいには山登りをしていた人間で、山野井泰史さんが個人的なヒーローでした。新田次郎、長谷川恒夫、植村直己、クラカワーなどの山行記、冒険譚にハマっていたこともあり、石川直樹さんのこともその延長線上にいる人間として知っていました。

 

世界中の高峰に登り、極点間を縦断し、環太平洋を巡り、古代の人々が洞窟に遺した壁画にレンズを向け、まさに世界を股にかけて写真を撮り続けている石川さん。しかも、メイン機はデジタルではなくPlaubel makina67(プラウベル・マキナ)という中判フィルムカメラフィルムカメラスキーとしては、もうとんでもない雲の上の人です。まさに雲の上に何度も行った人でもありますが。

 

nikomat.org

重たくてデカい(重量は1kg以上あります)うえに、フィルムの管理もしなくてはならないこのカメラをなぜ使うかといえば、ほぼ無尽蔵に撮れるデジタルと違って、1枚1枚に思いがこもるからとのことでした。

フィルム管理のたいへんさを物語るエピソードの一つとして、極点に近い場所で氷河を撮影した際に、フィルムの乳剤が凍ってバキバキになり、それが現像時にナゾの線になってしまって出てしまったとのエクストリームな話をされていました。

犬ぞりを使って極寒地を移動する際の写真はブレブレです。これはなぜかというと、犬ぞりというものは振動がひどくて、片手でそりにつかまってないとふるい落とされてしまうため、片手だけであのデカいカメラを操作したため、ピントも合わず、荒れてブレてしまったからとのことでした。

写真家として意図的にアレブレを狙うという表現があるのは分かりますが、石川さんのアプローチはそれとはまたちょっと違っていて、目指すところは「みたものと自分との関係性を撮っている」からとのことでした。

例えば犬ぞりに乗ってそれなりの技術的、機械的なサポートがあればいくらでもきれいな写真を撮影することは可能でしょう。ですが、まさにこの「極寒の地で片手でたくさんの犬が引くそりにつかまりながら片手でシャッターを切った」ということにより、その体験は唯一無二のものとして記憶されるからとのことでした。

 

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 K2登頂に挑戦して断念してしまった石川さんは、「せっかくだからK2はだめでもブロードピーク(世界で12番目に高い中国とパキスタンの間にある高峰)に登ってそこからK2を撮ろう」と、8000m級の山に登りなおして、K2を水平方向から撮るというということに成功しています。

このアングルからK2を捉えた写真は少なく「こっから撮った写真て珍しいんですよ」ということがわかってもらえたらなあとのこと。

 

K2

K2

 

 

K2を美しく撮影しようと思えばまた別の手段が(とんでもなく困難は多いでしょうが)あるのかもしれませんが、この「登頂には失敗したが、別の高峰からK2を撮る」という体験は、ほかの誰にもできない自身の経験として写真に残る。すなわち「自分と世界との関係性を写し撮る」ことになっているのではないかということでした。

人を撮るときでも、自然を撮るときでもこのスタンスは一貫していて、とにかく「いまここにいる自分」が世界の様々な様相を見るために「ここ」をとにかく水平方向にも垂直方向にも移動し続けているということでした。

 

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上の写真にあるように展示はカーテンで仕切られた数個の部屋で構成され、それぞれの部屋のコンセプトによって壁の色も塗り分けられていました。写真の演出のために照明も様々に工夫されています。

特に面白かったのが『NEW DIMENSION』シリーズとして撮影された、古代の人々が壁に残した絵をおさめたものです。赤い壁の部屋の向かって左側の写真では、洞穴の壁や天井に無数の人間の手のひらが象られています。

 

NEW DIMENSION

NEW DIMENSION

 

 

これは「ネガティブ・ハンド」というもので、ある時期に世界に同時多発的に発生したそうです。ちょうど壁に手を置いて、上からペンキを吹き付けると手のひら型の写像が壁に残ります。いわば太古のネガ絵(陰画)で、これは写真の原点といってもいいものなのではないかというお話をされていました。

 

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こちらは太平洋を気球で横断しようとして失敗した際に、気球のゴンドラに積んでいたものとのことです。奇跡的にゴンドラが海岸に漂着し、それを拾い集めたもの。こちらの冒険の様子は『最後の冒険家』というノンフィクションにまとめられています。 

 

最後の冒険家 (集英社文庫)

最後の冒険家 (集英社文庫)

 

 

そして、今回の展示に合わせて散逸していた(石川さんの言葉通りに言えば「どっかいっちゃったり、無くなったりしたフィルム」)フィルムを編みなおし、この展示と同じタイトルを冠した写真集が発売されました。

ちょうどギャラリーショップで購入者へのサイン会もあったのですが、とんでもない長さの行列だったのもあって断念。ほかの本屋で立ち読みしたのですが、素晴らしいです。

 

この星の光の地図を写す <北極カバー>

この星の光の地図を写す <北極カバー>

 

 

 そしてこちら、『北極カバー版』と『南極カバ―版』の2冊があります。内容は同じですが。2冊を両方買うことはたぶんないと思いますが、どちらかはいずれ購入する予定です。

 

この星の光の地図を写す <南極カバー>

この星の光の地図を写す <南極カバー>

 

 

いずれにしてもとんでもなく素晴らしい展示なのでぜひぜひ。自然写真をやる人もポートレートをやる人も、なにか突き刺さるものがあるのではないかと思います。

 

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石川さんが実際に使っていたテントと同じものに入れる体験ブースの前。来場者の皆さんの靴たちが、なにか整然と並んでいたのが面白かったです。

【リサイタルのお知らせ】ノエル・ビリングスリー ギターリサイタル 3月3日 @GGサロン

沖縄在住のクラシックギタリスト、ノエル・ビリングスリーの演奏会を開催します。

 

とき:2019年3月3日(日)13:30開場 14:00開演

ところ:現代ギター社 GGサロン(東京メトロ有楽町線副都心線要町駅徒歩3分)

 

 

昨年にノエルさんが東京に来た際に素晴らしい演奏を聞くことができたのですが、その際に会場にいらしていたコンサート企画団体「レヴリコパン」の代表の方と意気投合し、「東京で来年ノエルの演奏会をやろう!」ということになり準備を進めてきました。

kentarot.hatenablog.com

 

ノエルさんはイギリス人のお父様と日本人のお母様との間に生まれ、クラシックギターに目覚めてから僅か6年でロンドンのトリニティ・カレッジ・オブ・ミュージックを首席で卒業するという傑出した才能の持ち主です。

沖縄移住後にも国内のギターコンクールに参戦し、2015年に日本ギターコンクールで優勝、翌2016年には東京クラシカルギターコンクールで優勝、さらに翌2017年には日本スペインギター音楽コンクールで優勝と、国内の主要コンクールで立て続けに優勝してきた名手です。

クラシックギターをそもそも聞いたことが無い方には、少々わかりづらいかもしれませんが、こちらのコンクールはいずれも本選に残るのも狭き門で、そこで立て続けに優勝するということは、並々ならぬテクニックと音楽性を持っているという証明にほかなりません。

 

沖縄で活動されていてなかなか東京で聞くことができない、そして、いま勢いに乗っているギタリストが、ギター1本で紡ぎだす音楽をぜひ多くの人に楽しんでいただけたらと思っています。

 

詳細は下記のフライヤーをご覧ください。

 

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www.confetti-web.com

こちらのカンフェティというオンラインチケットサービスからもチケットのご購入ができます。

 

また私も少々チケットを取り扱っておりますので、TwitterのDM、facebookメッセンジャー等でお気軽にお問い合わせください。

 

OLYMPUS PEN DとモノクロフィルムRPX400で『ザ・ブラボーズ』ライブを撮る

2年ほど前から『THE BRAVOS (ザ・ブラボーズ)』というヴェテラン・ロックバンドのメンバーと知り合う機会があり、数回ライブに足を運んでは写真を撮っています。 

ボーカルのビリーさんは昨年還暦を迎えましたが、たくましいカラダから迸るロックスピリットは、ホント胸を打つものがあります。バンドへの掛け声は「ブラボー!」とクラシック気味ですが。

 

僕はカラー写真よりモノクロ写真がどちらかといえば好きで、ここ数年はモノクロフィルム:カラーフィルムの比率が7:3くらいになっています。正確にカウントしたことはないですが、デジタルでもたぶん同じくらいの比率で撮っています。

そんなこんなで2週間ほど前に荻窪の『CLUB DOCTOR』で行われたブラボーズのライブに、年始に手に入れた『OLYMPUS PEN D』にモノクロフィルムを入れて、かぶりつきで写真を撮ってきました。

ライブが始まってしまうとポジションを移動するのがなかなか難しいので、どうしても同じアングルからばかりになっていまってますが、還暦を超えてなおロックし続ける男のカッコよさが少しでも表現出来たらなあと。

 

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(すべて OLYMPUS PEN D/Rollei RPX400)

フィルムは『Rollei RPX400』を使用しています。数年前から柔らかい階調表現が気に入って使っています。基本的には薄暗く、ランダムに照明が明滅するライブハウスでISO400でのフルマニュアル撮影は難しいですが、まあそれもカメラの面白さのひとつかなと思います。

 

ライブ後、打ち上げにも顔を出させてもらってブラボーズのメンバーといろいろお話ししたのですが、『THE COLLECTORS』や『THE BLUE HEARTS』のメンバ―との交流の話がふつうにでてくるのが、まさに生きるレジェンドといった感じでした。

個人的には『THE COLLECTORS』のリーダーこと加藤ひさしさんのことが、その前身バンドの「『THE BIKE』の加藤くん」として出てくるのが面白かったです。何度か対バンしていたらしい。スゴイ!

 

オリンパスペン』シリーズのようなコンパクトなフィルムカメラの振り回しやすさは、こういうときに大活躍するし、ハーフカメラで72枚撮れるというのも気兼ねなくシャッターが切れるという意味でいいな、と感じた初めてのモノクロフィルム撮影でした。

 

 

Rollei 白黒フィルム RPX400 35mm RPX4011

Rollei 白黒フィルム RPX400 35mm RPX4011