Take your Time,Take your Life

クラシックギター、ソロギター、カメラ、音楽、映画がすきです。

MENU

品川セントラルガーデンに異界を見る

豊島区と板橋区と北区の狭間のようなところを住処とし、池袋に仕事場があると、どうしても都の西北がおもな活動エリアになりがちです。

新宿、渋谷エリアは仕事で訪れたり、六本木エリアはフジフィルムスクエアに展示を見に行ったり、東京~銀座はカメラ屋に行ったり、たまたまエリアに詳しい友人がいたり、とそれなりにポツポツと足を運んでいるのですが、ほとんど足を運ばないエリアのひとつが品川です。

川島小鳥さんの展示がキヤノンのギャラリーでやっているということで、久しぶりに品川へいく機会を得ました。学生時代は品川と目黒の間の大学に通っていたので、ときおり利用していたのですが、社会人になってからというもの、まったく訪れることがなくなっていて、その再開発ぶりに驚かされました。

 

お目当ての小鳥さんの展示はちょうど休館日で見ることができなかったので、品川インターシティを散策。インターシティの敷地内にセントラルガーデンと呼ばれる庭園のようなところがあるのを初めて知りました。

 

www.sicity.co.jp

公式サイトによると、広さ2haある歩行者大空間と書いてあります。 「歩行者大空間」という言葉があるのを初めて知ったのですが、要は各ビルへと通り抜けができる中庭です。

インターシティ自体はオフィスエリアなのでしょうか、休日のセントラルガーデンは人も少なく穏やかで、ビル風を軽減するために植えられた樹木のおかげなのか、風もあまりありませんでした。

 

f:id:kentarot:20191002060446j:plain

f:id:kentarot:20191002060503j:plain

f:id:kentarot:20191002060432j:plain

f:id:kentarot:20191002060416j:plain

 

f:id:kentarot:20191002060512j:plain


現代アートのようなバルコニーがあり、遊んでいた子供たちがのぼってもいいのか不安がっていたので、「上にあがれるよー」と教えてあげたところ、元気に駆け上がってきて遠くの方に見えるママたちに叫んでいました。

大人になると簡単に上がれるバルコニーも、子供たちにとっては入っていいのか分からない未知の空間で、彼らにはまだたくさんの領域が手つかずに残っているのでしょう。

 

巨大な建造物に囲まれた空間は、オブジェのようなミニ建築物がたくさんあり、空想上の未来都市のようでもあり、ときどき座敷わらしのように子供たちが現れたりと異界めいた雰囲気もあります。

 

脱臭され、整備されすぎた空間にいると、物事のサイズ感が狂うというか、どこか現実感を欠いた感じがして、僕としては落ち着かないのですが、それでもそれを現実として生きる人々が寄せ集まって生きているのが東京という街なのかもしれません。

 

積極的に撮りたくなるような「空気」や「におい」、あるいは「歴史」のようなものは何もないかもしれませんが、駅から直結していて飲食店も多くてトイレもキレイなので、人工物の中のポートレイトを撮ったりするのには向いている空間かもしれません。

 

f:id:kentarot:20191002060529j:plain

帰りに見かけた横断幕。久しぶりに訪れた品川は、まちがいなく「へんげ」してました。

(すべてLeica M10/Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC)

二度目の「ととのい」を求めて 『やすらぎの湯 ニュー椿』へ

敬老の日に聖地『北欧』で初めて「ととのう」という状態を体験し、サウナー(サウナ愛好家)の世界の入り口に立った僕です。

 

www.takeyourtime.me

 

近所のサウナを探して

サウナ―愛用のSNS「サウナイキタイ」のアカウントも開設し、ドラマ『サ道』のロケ地となった各所を検索、それぞれに非常な高評価の名店であることを知りました。

『サ道』に名前があがったところとして、家から一番近いのは、職場のある池袋の『タイムズ・スパ・レスタ』なのですが、こちらは入浴料が2750円とちょっと気軽にはいけないお値段。

『タイムズ・スパ・レスタ』は給料が出た日にでも行くことにして、さらに「サウナイキタイ」で調べてみたところ、近所に見つけたのが『やすらぎの湯 ニュー椿』でした。

www.1010.or.jp

 

『ニュー椿』はふつうの銭湯にサウナエリアがついた施設で、男湯フロア、女湯フロアにそれぞれ2種類のサウナを備え、偶数日と奇数日で男女の利用フロアが代わるというシステムになっているようでした。

銭湯なので基本の入浴料は460円ですが、サウナは大小タオルつきで1100円の設定。さらに100円増すことでシャンプー、コンディショナー、ボディソープがつく「手ぶらサウナコース」もあります。

f:id:kentarot:20190929143353j:plain

 

 googleマップによると家から徒歩15分。散歩がてら行くにはちょうどいい距離で、日も沈んで一段落したころにてくてくと徒歩で向かいました。

 

ニュー椿へ

都電荒川線(現:桜トラム)の新庚申塚駅の目の前にうっすらとライトアップされた建物が見てきました。『ニュー椿』です。

このエリアに引っ越ししてきて約一年。近所を歩き回ったりしたときなどにときどき目に入って気になっていた銭湯なのですが、こんな明確な目的をもってこの建物の前に立つ日が来るとは。

f:id:kentarot:20190929143423j:plain

なんだか建物を見るだけでちょっとワクワクしてきます。これが「ととのい」を体験する前と後での人生の違いというモノなのかもしれません。

 

今日は奇数日なので男性は2階。手ぶらできたので「手ぶらサウナコース」1200円をチョイス。券売機を買ってフロントでチケットを渡すと、透明のビニールバッグにタオルやアメニティ一式が入った入浴セットとサウナエリアの鍵を渡されます。

 

 

f:id:kentarot:20190929143441j:plain

浴場偵察

2階は各種ジェットバスに漢方薬湯、和式露天風呂を備えて、広さも十分にあり、ゆったりと利用できました。

客層は巣鴨が近いということもありおじいちゃん多め、小っちゃい子をつれた3,40代のお父さんが1、2名いるといった感じでした。

さっそく洗い場で身を清め、汗をかきやすい状態にするため、薬湯へin。しばらくあったまって、それぞれのジェットバスをひととおり体験。僕は貧乏性なのでこういった銭湯などにいくとひととおりのお風呂に入ります。

カラダの調子も良くなってきたので、露天風呂をチェック。露天風呂の休憩スペースには竹製のベンチが二脚あるようでした。ベンチには背もたれが無いのですが、壁際にあるため、ポジションさえ問題なければ、いい姿勢でリラックスできそう、と脳内で軽くシミュレーションしました。

思えば銭湯などの施設にきて、サウナを軸に導線やリラックスの仕方などをシミュレーションするようになるとは…「ととのい」は人間を変えてしまいます。

サウナエリアへ

サウナエリアは専用の鍵(といっても先端にひっかける突起がついているプラスチック製のもの)でのみ入ることができます。

ドアを開けると白を基調とした空間が広がります。思ったより広く、経年による劣化は多少あるものの清潔な印象。目の前にハーブサウナ、右手奥に遠赤外線サウナというダブルサウナ体制。好みや体調によって使い分けができるようになっています。

フロントで渡されたバッグを掛けられるように壁にフックがついていて、撮り間違えを予防するための番号が振られています。

休憩スペースには冷水器もあり、水を飲むために毎回外に出る必要が無いというのもサウナ利用者にはありがたいです。

壁にかかっているバッグの数から判断するに、僕のほかの利用者は5,6人といった程度でしょうか。だいぶゆったりと使うことができそうでした。

赤外線サウナ

まずは遠赤外線サウナをチョイス。温度は90℃と記憶していますが、思ったより熱い感じでした。先達がいた前回と違い、初めてのソロサウナ。サウナタイマーの時間をしっかりと記憶し、座り込みます。

こちらの遠赤外線サウナにはテレビがあるため、また見るともなくテレビを見ているとあっという間に8分が過ぎました。

イイ感じのすべりだしです。いったんシャワーで汗を流し、水風呂へ。サウナ利用者専用のシャワーがサウナの程近くにあるのも助かります。

水風呂の温度は20℃と『北欧』よりすこし高い温度。先週までは入れなかった水風呂ですが、もうこれが気持ち良くて仕方なくなっているので、人生何があるか分からんものです。

こちらはバイブラ(泡がぼこぼこでてくる仕組み)があり、「温度の羽衣」をゆるゆるとはがされていくタイプの水風呂でした。60秒をアタマの中で数えて水風呂を後に。

さて、いよいよ「ととのいスポット(休憩スペース)」です。『ニュー椿』のととのいスポットは明るすぎない白壁の部屋のようなところで、椅子と椅子の間もわりとゆったりとした配置。

ここで休憩してもよかったのですが、さきほど見かけた露天風呂のベンチが気になるため、いちどサウナエリアを出て露天風呂へ。

ベンチをみると二脚とも無人。「今だ!」と思いさっそくベンチへ座り込み。さきほどのシミュレーション通りに壁にもたれると。完璧なリラックスポジションを取ることができました。

二階の露天風呂から見る空はだいぶ小さく、星も見えないのですが、やはり外が少しでも見えるというのはいいものです。やんわりとした風を感じながら1セット目を終了。

 

ハーブサウナで塩サウナ体験

そのまま露天風呂で少し温まり、2セット目へ。2セット目は塩サウナができるハーブサウナルームをチョイス。

室温計は70℃ちょっとを指していますが、椅子を洗い流すために頻繁に湯がかけられているのもあってか、温度以上の熱さ。こちらの部屋にはテレビは無く、どこにもいきようのないようなインストゥルメンタルがかかっている落ち着いた雰囲気。

椅子がだいぶ加熱されているため、手桶で洗い流してから着座。事前に調べておいた塩サウナの入り方を思い出し、部屋の中央の塩桶に盛られた塩を手に取ります。

塩サウナの塩はいきなりこすりつけるのではなく、まずは全身に塩をまぶすことからはじまります。ちょうど揚げ物をするときに小麦粉をまぶすような感覚でしょうか。

粘膜の露出している股間や感覚器が集中している顔面などは注意深くまぶし、まず汗が出てくるのを待ちます。

すでに2セット目のこともあり、4分もするとみっちりと汗をかいてきました。こうなったらまぶしてある塩を汗に溶かすように優しく肌をこすっていきます。

理屈としては低濃度の食塩水を肌の上でつくるようなことをしているようです。これが噴出してくる汗とまじって、肌がニュルンニュルンになってくるのを感じます。

塩の粒がほぼ溶け出し、手のひらのザラザラ感がほぼ無くなったところで、セルフマッサージで血流の増進とさらなる発汗を促し、適当なところで終了。

これをやっているとあっという間に10分くらいが経ちました。塩サウナがやや低温にされている理由がちょっと分かった気がします。

あまみ出現、そして、ととのう

この塩サウナが効果テキメンだったのか、初めて「あまみ」が現れました。「あまみ」とはちょうどリンゴほっぺのような赤色が肌に格子状に出現する現象のことです。サウナ―の世界では調子がいいときに体感できるといわれているので、初あまみにちょっとコーフン。

塩まみれになったので入念にシャワーで全身を流し、水風呂へ。積極的にバイブラにあたりにいき、60秒で終了。

2セット目は露天風呂ではなく、サウナ利用者専用の休憩スペースをチョイスしました。完全に密室のような真っ白い部屋なのですが、どこからか風が吹いてきているようで外気浴と同じような効果はありそうです。

目の前の壁に灯った電灯をぼーっと見ていると、いきなり「ととのい」がやってきてしまいました。

多幸感とともに顔が自然にニヤけてきます。斜め前に別のお客さんがこちら向きに座っているので、変なヤツだと思われていないか、ちょっと心配になりましたが、もうなるようになれと、レットイットビーにしておきました。いいのです、僕は「ととのい」の真っ最中なのですから。

ソロサウナでも無事に「ととのう」ことができて、とりあえずは一安心。あとになって調べてみたら2セット目で「ととのう」というのはよくあることのようで、そのあたりは体調やサウナの状況により様々のようでした。

このまま帰ってもいいのですが、せっかく1200円も払ったのだからもう少し長いをしようと遠赤外線サウナと塩サウナをあと1セットずつ行い、露天風呂の椅子でシメ。

追い「ととのい」があるのかは分かりませんが、深いリラックスを得ることができました。それにしても塩サウナ気持ちいい。浄化感がハンパないです。

ニュー椿は4階にラウンジがあるのですが、食べ物などはなく、巨大なテレビとマッサージチェアとテーブルセットが7,8あるだけで、ドリンクは自販機で売っているもののみです。ここに何かごはんどころなどあるとちょっと嬉しいのですが、あくまでふつうの銭湯なので、そこまでするのはいろいろ難しいのかもしれません。

テレビではジャイアンツがリーグ優勝をし、原監督が涙を流しながらインタビューを受けていました。僕の少年時代には4番打者としてジャイアンツを支えていた彼も、もう61歳。時の流れは早いものです。

帰り際に下駄箱の鍵の返却といっしょにサウナサービス券が。何やら10枚集めると1回タダでサウナに入れるようです。にくいリピーター獲得サービス。ちゃんと僕には刺さっています。

「サウナイキタイ」によると『ニュー椿』の本気は3階にあるようなので、また「ととのい」を求めてここへ帰ってくるでしょう。

 

f:id:kentarot:20190929143408j:plain

 

高円寺阿波おどり2019を撮る その3

前回、前々回に引き続き、高円寺の阿波おどりを。男衆、女衆に続いてこどもたちの写真を。

www.takeyourtime.me

www.takeyourtime.me

 

状況はあまり良く分からないけれど、なにやらお祭りなので踊っている子、踊り手や楽隊の一員としてしっかりと役割をこなしている子、一人の表現者として凛としたたたずまいの子、様々な表情がそこにはありました。

スナップ写真の大家カルティエ=ブレッソンの教えに「子供を撮ること」というのがありましたね。

 

f:id:kentarot:20190925073511j:plain

f:id:kentarot:20190925073536j:plain

f:id:kentarot:20190925073528j:plain

f:id:kentarot:20190925073554j:plain

f:id:kentarot:20190925073456j:plain

 (すべてLeica M10/Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC)

サウナ初体験!聖地『北欧』で「ととのう」

『サ道』と出会う

「ケンタローさん『サドウ』って知ってます?」

 

そんな一言をいただいたのは9月のアタマ。場所は目白の古着屋DUST AND ROCKS(ダストアンドロックス)。The Collectorsのギタリスト・古市コータローさんが手掛ける古着屋の店長・キムタクさんからでした。

 

「サドウとな?」

キムタクさんがいう「サドウ」とはテレ東のドラマ『サ道』のこと。『サ道』とは「茶道」ではなく、「サウナ道」の略語のことで、原田泰造さん演じる「ナカちゃん(ナカタアツロウ)」がサウナに目覚め、ひたすら全国のサウナに入りに行き、その模様をサウナ仲間(三宅弘城さん&磯村勇斗さん)とあーでもないこーでもないと語り合うという、「ザッツ・テレ東深夜枠」なドラマのことでした。

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

「ととのう」とは?

なんでもキムタクさんがいうにはサウナの楽しみ方は「温冷交代浴」という決められた手順での入浴作法を通じて、「ととのう」状態を得ることらしいのです。

温冷交代浴とは、文字通りアツいサウナに入って汗をかき(温)、そののち水風呂に入り(冷)を繰り返す健康増進法のひとつ。そしてこの水風呂に入ったあとに外気にあたる(外気浴)ときに訪れる、得も言われぬ状態を「ととのう」と呼ぶとのことでした。

「ととのう」とは、ある種の心身のバランスが整った深いリラックス状態のことで、ドラマの原作となったタナカカツキさんの漫画によってサウナ界隈に広まった言葉のようです。
 

マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~(1) (モーニング KC)

マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~(1) (モーニング KC)

 

 

 「ととのった」状態は、別名として「サウナトリップ」「サウナトランス」あるいは「ニルヴァーナ(涅槃)」と様々な呼び名があり、ドラマにおいてはタイダイTシャツのようなサイケデリックな背景の中で、腰タオル一丁の泰造さんが「ととのったー!」と快感の叫びを漏らすシーンとして表現されます。

 

温泉や銭湯にサウナがあれば、ちょっと汗をかいてみたくて入ったことはあるが、そんな世界があるとは全然知らなかったということを告げたところ、「ってことはまだととのい童貞ってことですね」とのお言葉が。

「ととのい童貞」というパワーワードに撃たれ、こうなったら未体験の「ととのい」を味わってやらあ!ということで、サウナパイセンのキムタクさんの引率のもと、ドラマ『サ道』ロケ地でもある上野の名サウナ『北欧』にいくことになったのでした。

 

北欧へ

 

弱い雨が降る敬老の日、午前10時に上野駅の浅草口集合。アメ横や動物園、美術館などがある方とは全く別の、どちらかといえば夜の匂いがするエリアの中に『北欧』はあります。

www.saunahokuou.com

 

f:id:kentarot:20190924092849j:plain

 

ビルの2階から5階はカプセルホテルで、かつて東北の玄関口だった上野駅を彷彿とさせる趣があります。東北新幹線が東京駅まで開通する以前は、ここで泊まって旅の疲れをいやしたのでしょうか。

サウナのある大浴場は7階でフロントは6階。フロントにはサイン入りの『サ道』のポスターが飾られていました。

コースがいろいろあるようでしたが、キムタクさんのオススメの3時間1000円の「クイックサウナコース」を選択。初回ならこのコースで全く問題なしで、都内でもだいぶリーズナブルな価格設定とのことでした。

脱衣所でドラマの劇中で3人が来ていた館内着に着替え、さっそく大浴場へ。3連休の最終日の朝でしたが、すでに20人くらいのお客さんがいるようでした。

カプセルホテルということもあって、ヒゲソリからシェービングクリーム、歯ブラシに綿棒にとアメニティの充実っぷり!なんとアカスリタオルまで用意されているので、ドラマの泰造さんのようにカラダをガシガシと洗って清めます。

汗をかきやすい状態にしたほうがいいとのアドバイスをうけ、いったんお風呂に入浴。広い風呂ってのは本当にありがたいもんです。極楽かな。

 

サウナルームへ

数分入って少し体が温まってきたところで、お湯から上がり、カラダの表面の水分をタオルで拭い、いよいよサウナへ。とりあえず8~10分を目安に入ってみることにしました。

サウナルームの横にはちょうど一人が座れるサイズの小ぶりのお風呂マット(サウナマット)のようなものがあり、この備え付けの「サウナマット」をそれぞれが1枚ずつ持って入るスタイルで、これをお尻に敷くのがマナーになっているようでした。

サウナ部屋には4,5人の先客。室温計の差す温度は106℃何段目に座るかで体感温度がかわるとのことで、とりあえず2段目にin。「ムリだと思ったらいつでも出ていいっすよー」との助言をいただきました。そうです、サウナはガマン比べ大会ではないのです。

 3,4分経ったところでじっとりと汗がにじんできます。いままで入ったサウナが何度くらいだったかあまり注意していなかったのですが、なかなかのアツさ。でも不思議とあまり苦しさは感じませんでした。

サウナというと、もう少し息苦しくなってくるイメージがあったのですが、キムタクさんによると、湿度がある程度あるところならばわりと大丈夫とのこと。サウナは温度とともに湿度がとても大事とされ、僕が過去に入ってきたところはきっと湿度管理があまりちゃんとされていなかったのではないかとのことでした。

サウナルームにあるテレビを見るともなく見ていると12分計(サウナルームにある、1周すると12分が経つ秒針と分針のみの時計、通称「サウナタイマー」)の針はあっという間に7分を回り、いよいよ目標の8分まであと1分になりました。まだカラダ的には大丈夫そうなので、あと1分ならばぜんぜん大丈夫そうです。

しかし「あと1分」と思い、12分計をみると、針の進みが遅く感じられます。「時間とは意識の内容である」という言葉がありますが、テレビを見ているとあっという間の時間も、サウナタイマーの針を見ているとボミオススロウガを食らったような時間間隔になっていきました。60秒がなんとも長い…。

 

しかし、時間はちゃんと経って行きました。「じゃ、そろそろ出ましょか」と隣に座ったキムタクさんから促され、お尻の下からサウナマットを引き取って1セット目のサウナルームをあとにしました。

サウナルームの目の前の洗い場のシャワーで汗を流します。気持ち良すぎる。サウナで汗をかいた状態で水風呂に入ることは「かけず小僧」という重大なマナー違反で、サウナでは御法度とのことでした。

 

水風呂へ

いよいよ水風呂です。実はこれが苦手で、僕は過去に一度も水風呂に入れたことがありませんでした。急に心臓が止まったりしたらどうしよう…などと悪いことを考えてしまって、どうも全身を水に浸からせることができなかったのでした。

しかし今日は「ととのい」に来たのです。そして強力な助っ人がいっしょにいてくれます。水風呂に備え付けの手桶で3,4杯水をかぶり、そろりそろりと水温16℃の水の中へ。

これは冷たい!ですが、サウナで十分にあたたまったカラダはちゃんと耐えてくれました。肩まで使って深い呼吸を心がけていると、自分の体のまわりに温かい膜が貼られて思ったより冷たさを感じません。

これがドラマでもいっていた「温度の羽衣」!カラダを水の中で動かさない限りは、体温で熱せられたカラダの周囲の水がフバーハのように全身を包んでいるのを感じます。

「は!?そういえば何分くらい入るんだっけ?」とちょっと不安に思ったところ、「ちゃんと時間見てるんで大丈夫です。1分ちょっとしたら出ましょう」と頼もしい声。なにごとにも先達はあらまほしきことなり。

「首までつかると全身の血流の温度も下がっていいっすよ」とアドバイスをいただき、首までつかることに。ふむう。冷たいけどキモチイイ。俺は本当に16℃の水の中にいるのだろうか。あっという間に1分が経ち、いよいよ「ととのいスポット」こと外気浴エリアへ。

 

外気浴(ととのいスポット)へ

『北欧』の外気浴エリアは「トゴールの湯」という長方形の露天風呂の4面に置かれたプラスチック製の椅子と寝椅子から構成されています。

「ととのう」ためには「サウナ→水風呂→休憩」を1セットとした入浴手順を3~5回くりかえすことが大事とされ、「ととのった」状態はこの休憩フェイズにて体感(出来?)できるようです。

ドラマ『サ道』でも、この「ととのいスポット」に主役の3人が並んで座り、サウナについての四方山話をするシーンが多く出てくるので、同じことをやってみたいと思ってましたが、あいにくの雨。

ちょうど露天風呂の屋根の下に二つ並んだ椅子があったので、雨をしのぎつつ、そこで休憩をすることにします。

この休憩が本当に何とも言えずキモチイイ。サウナで芯から温められ、水風呂で表層から冷やされたカラダは、いわばアイスを載せたパンケーキのような状態です。

温冷のちょうどまんなかというか、温かくもなく寒くもなくなった状態のカラダに、ゆるゆると柔らかい風が吹いてきます。

『北欧』の外気浴エリア(露天風呂エリア)は、ちょっとほかでは見たことが無いような設計になっていて、中央の露天風呂の上にだけ屋根があり、その屋根の両サイドからは上野の狭い空が眺められるつくりになっています。

聞いたところでは、この独特の設計がやわらかい風を生み出し、『北欧』を人気店にしているとかしていないとか。ときどき聞こえる車のエキゾーストやクラクションの音さえも心地よく聞こえてきます。

椅子に座って休んでいるだけなのですが、なんだか気持ちが良すぎて顔が勝手にニヤけて来てしまう感じで、それを隣のキムタクさんに伝えると「バッチリです!」と向こうからも笑顔の返答が。どうやら1セット目はバッチリなようでした。

周囲を見るとみなさんがそれぞれに椅子やリクライニングベッドに身を預け、それぞれに休憩を取っています。

驚くのはみなさんのマナーの良さ。自分が使用した椅子やベッドを洗い流すだけでなく、次の人が使うために手桶にお湯を汲んでおくという紳士ぶり。

こういった「サウナ・トライブ」の良きマナーのつらなりがこの空間を心地よいものにしているのだなと、サウナ初体験の僕としては感心したのでした。

何分休んだかはちょっと覚えてませんでしたが、「そろそろ2セット目行きましょうか」とのことで、いったんトゴールの湯につかり、またカラダを少し温めることからスタートです。

 

2セット目

湯から上がり、冷水器の水を何口か飲んで、再びサウナルームへ。入ってみるとなんと満席。「こういう時ってどうするんですか?」と聞いたところ、「端っこの方で立って待ってれば大丈夫です」とのこと。

みなさん1分単位でサウナルーム滞在時間を管理しているので、それぞれの所定時間が過ぎればどんどんと退室していく流れになっているようでした。

ちょうど三段目の端のスペースが空いたので、最高温の三段目にin。先ほどよりアツいので頭にタオルを巻き付け、また8分以上を目標に座ります。

三段目、たしかにアツい!1セット目で汗が出やすくなっているのもあり、先ほどよりたっぷり汗をかいている感じ。目の前に座った人も背中に玉のような汗をかいています。

ちょっと苦しくなるかなと不安に思っていたのですが、テレビを見ることもなく見ているとまたもやあっという間に時間が過ぎました。

サウナタイマーの遅い針の進みに「早く進んでくれー」と念を送りながら最後の60秒間を過ごし、今回はちょっと遠くに座っていたキムタクさんに目線で合図を送って退室。

ふたたび作法に従ってシャワーで汗を流し、水風呂へ。いちど入れちゃうとぜんぜん大丈夫なもんですね。人間の体験とはだいたいこういうモノなのかもしれません。

周りを見る余裕が出てきたのか、今度は自分で時計を気にしながら水風呂に入り、手で水流を作って「温度の羽衣はがし」をしてさらなる冷たさを味わうことも。1分ちょっと水風呂につかり、「ととのいスポット」へ。

「リクライニングベッドがとにかく気持ちいいっすよ」とのことだったので2セット目の休憩は寝てみることにしました。「休憩を寝てする」というのも何かおかしな表現ですが、サウナにおいては「休憩」は能動的なものなのです。

まだ雨は降り続いているのですが、ちょうど屋根の下にベッドがあるので雨は気になりません。ベッドはリゾート地などにあるシンプルなプラスチック製の白いベッドなのですが、ここに寝転がっていると、これがもうキモチイイの最上級な感じでした。

ベッドに寝転んでトゴールの湯の低い天井を見ていると、なんだか天井が流れていくように感じます。空いた天井からのぞく雲が流れているのか、天井が動いていっているのか、ふわふわとしたふしぎな感覚。

そして、カラダが周囲と一体になっていくというか、境界線があいまいになっていくような感覚を覚えました。うう、キモチイイ。このままずっとこの状態でいたい。

また何分経ったか分かりませんが、「それじゃ最後のセットいきましょうか」と起こしに来てくれたキムタクさんの合図で、ふしぎな感覚から呼び戻されました。またトゴールで軽く半身浴をして、水を飲んでサウナルームへ。

 

3セット目

サウナマットの在庫切れ状態だったので、使用済みのマットをシャワーで軽く流して使わせてもらうことにし、サウナルームへ。

「最後のセットはちょっとがんばってもいいかもしれません」とのことだったので10分入ることにしました。ちょうど2段目が空いていたので2段目にin。もう3回目となるとだいぶ勝手がわかってきました。

またテレビを見ることもなく見ていると、さらにさらに汗が吹き出し、だんだんそれ自体が気持ちよくなってきました。オジサンたちの我慢大会だと思っていた過去の自分に謝りたい。

あっという間に時間が過ぎ、シャワーで汗を流して水風呂へ。もう、カラダが水風呂を欲しています。ヤバいですね。

「ととのいスポット」にいくと、ちょうど小雨になったのでドラマで3人が座っていた椅子で休憩。ミストのような雨粒がカラダにあたってピリピリと気持ちイイ。

と、最初は思っていたのですが、やや雨脚がましてきたので屋根の下の椅子に退避。そこでまた座っていると、2セット目の終わりに味わった感覚がまたやってきました。

 

多幸感、全一感、世界との一体感、深いリラックス…なんとでも呼んでいいでしょう。

 

この感覚。すべてはあるがままに良く、平穏です。

もう、なにも足すものも引くものもないです。

 

それでいいのです…

 

これでいいのだ。

 

 「ふわー」とか「ふえー」とか「ほわー」とか、そういったとにかくゆるみ切った声が出る感じで、なんだか顔がニヤニヤしてきます。

そして周りを見回すと澄んだ遠い目をしたおじ様たちが…彼らもまた「ととのって」いるのだろうと確信しました。

また何分経ったか分かりませんが、キムタクさんに声を掛けられ、夢見心地からの覚醒。カラダとココロすべてがリフレッシュされ、さきほどの多幸感の余韻が続いています。

ビックリすることに、この3セットを終えたころにはすでに入館から2時間弱が経過していました。「時間とは意識の内容である」を別の意味でまた味わうことになりました。

 

北欧カレー

レストランに移動してランチタイム。このレストランはドラマ『サ道』でサウナの次くらいに撮影に使用される場所で、本当にドラマで見たまんまの「ザ・休憩所」といった趣のところでした。

ドラマのシーンでは映っていないのですが、レストランの奥側が喫煙可能なのも、スモーカーの僕らとしては嬉しいところ。

 

ビールで乾杯し、のどに流し込むと、五臓六腑どころか六臓七腑にしみこみそうなうまさ。初めての「ととのい」体験について話し、名物の「北欧カレー」とナポリタンを追加で頼んだレモンサワーで流し込みます。ウワサの「北欧カレー」もナポリタンもうまい、うますぎる。

カレーもナポリタンも、まさに「昭和の喫茶店」の味です。あの星占いのボールが置いてあるタイプの店。ただ、いまの多幸感に満ちた状態には、これがとてもマッチするのです。

話している間もどこかふわふわとしていて、何を話していても楽しいというか、顔が勝手に笑ってしまうというか、「トリップ」や「トランス」という言葉がサウナでの恍惚状態につけられる意味が分かった気がします。

 

f:id:kentarot:20190924092820j:plain

(カレーを撮り忘れてしまったのでオリジナル箸袋)

 

こんなわけで、僕のサウナ初体験は、ありがたい先達のチカラでばっちり成功でした。人生は「ととのい」以前と「ととのい」以後に確実に分かれると今では確信しています。そうです、僕はととのい童貞をうしなったのです。

 

f:id:kentarot:20190925070620j:plain

(『サ道』のお三方と)

サウナイキタイというサウナー(サウナ愛好家)のSNSも教えてもらい、さっそくアカウントを作りました。

 

sauna-ikitai.com

そして、もう次のサウナを探している自分がいます。

 

f:id:kentarot:20190925054533j:plain

北欧の割引券。いまとなっては魔性の力を感じます。 

 

高円寺阿波おどり2019を撮る その2

www.takeyourtime.me

 

前回は男衆でしたので、今回は女衆の方々を。間近で見ると、着物で踊るというのは本当に大変なんだろうなと改めて感じました。だんだん日が暮れていく中で笑顔を振りまきながら踊り、楽を奏でる姿、本当にカッコよく美しいです。

 

f:id:kentarot:20190904073621j:plain

f:id:kentarot:20190904073519j:plain

f:id:kentarot:20190904073447j:plain

f:id:kentarot:20190904073607j:plain

f:id:kentarot:20190904073501j:plain

f:id:kentarot:20190904073629j:plain

f:id:kentarot:20190904073534j:plain

(すべてLeica M10/Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC)

うーん、光ってるぜ!カッコいいぜ!

こちらもほとんど「ルック第1演舞場」で撮影したものです。

夏フェスにはウーフォス リカバリーサンダル

夏が終わります。そして悲しいことにビーチサンダルの季節も終わります。夏のサンダルといえば、ビルケンとモンベルのソックオンでここ数年の夏を過ごしてきたのですが、ことしサンダル革命が起きました。

 

ウーフォスを知る

その名は「OOFOS(以下ウーフォス)リカバリーサンダル」です。「ウーフォス」は公式サイトによると2011年にできたブランドとのことですので、比較的新しいブランドですが、一昨年くらいから日本にもジワジワと浸透しているようです。字面だけでは最初読めませんでした。

 

同居人が池袋西武のセレクトショップ「BEAVER」(個人的にとても好きなショップです)の店員さんに激オススメされてゲットして、その存在を初めて知りました。

「足がすごくラク」「疲れない」とすすめてきたので、(サイズ違いですが)ちょっとはかせてもらったところ、モニュモニュとしたクッションが確かに足に良さそう。心の中の欲しいものリストの片隅に入りました。

 

DUST AND ROCKSにて

足裏のモニュモニュフィーリングに心動かされていた時に、仲良くしてもらってる目白の古着屋「DUST AND ROCKS」をたまたま訪れたところ、なんと店長さんの足にはウーフォスのビーチサンダルが!

話を聞いてみると、店長さんが履いているのはすでに2足目で、足がラクだということで実家のご両親にもそれぞれプレゼントしたとのこと(孝行息子や!)。

とってもオシャレな古着屋の店長さんが履いているということに精神的お墨付きをいただいたので、その足で西武の「BEAVER」に向かいました。

ここ数年はサンダルといえば鼻緒のものを履いているのですが、ビーチサンダルモデルのフォルムにズッキュン来てしまった(店長さんが履いていたというのももちろんあります)ので、ビーチサンダルモデル(OOriginal Sport)をチョイス。

本当はソールも鼻緒もすべて黒いオールブラックモデルが欲しかったのですが、残念なことにちょうど在庫切れ。ちょうどオハラブレイク(猪苗代湖畔で開催されるロックフェス)に行く1週間前でもあり、サンダルをゲットするなら早めに買って、試し履きをしておきたい時期でした。

鼻緒がピンクのモデルはサイズがあったので、最終的にはこちらを買うことにしました。「男性ももっとピンクをまとうべきだ」とポール・スミスも言ってましたし(たしか)。

 

 

リカバリーサンダルとは

リカバリーサンダルとはその名前の通りリカバリー(回復、復旧)用のサンダルで、アスリートが運動後のリカバリー時に足を休めるために開発されたものとのことです。

アスリートは競技後に疲労したカラダを休める際に、横になるのではなく、軽度の運動をすることで回復を早める(アクティブリカバリー)ので、その時のサポートなどに使われているのかもしれません。

ソールはふつうのサンダルに比べると分厚いですが、これが絶妙な厚さで、心地よいクッション性で足裏への衝撃を吸収しながらも、無駄なくエネルギーを地面に伝えてくれる感じです。

分厚いソールですが、つま先に向かってやや薄くなっていくデザインになっていて、これがまた歩きやすいのです。リラックスとアクティブのいいとこどりを目指したモノとでもいえましょうか。

 

ウーフォスサンダルでフェスに行く

勤め先が服装自由なのもあり、来客が無い時などはサンダルで通勤しても問題ないため、足慣らしのためにオハラブレイクまでの1週間ほどウーフォスビーサンを履いて通勤&仕事をしました。

鼻緒があるサンダルを久しぶりに履くので、親指と人差し指の間が靴擦れするかもという心配もありましたが、デザインと素材のおかげなのかまったく問題がありませんでした。

毎年オハラブレイク参加時は、家からスリッポンなどを履いていき、現地でサンダルに履き替えていたのですが、今年は家からウーフォスサンダルで行くことにしました。1週間はいた結果、足がとにかくラクで「これなら家から履いていけるんじゃね?」と感じていたからです。

 

www.takeyourtime.me

 

一般に夏フェスに電車とシャトルバスで参加するとなると、デカいリュックに3,4日分の着替えを持ち、レジャーシートに、保冷バッグに、ポップアップテントに日焼け止めに虫よけグッズに…とちょっとしたキャンプのような荷物を持って移動することになります。

正直、サンダルで行っても大丈夫かという不安はありましたが、そんな不安は杞憂に終わりました。埼京線と東北新幹線と磐越西線を乗り継ぎ、猪苗代湖畔へ大荷物を持って移動し、フェスに参加して、ちょっと観光して帰ってきても足へ負担はほとんどありません。

もちろん全身の疲労感や足の筋疲労ありますが、サンダルで歩き回った後のあの独特の足の痛みや疲れは皆無でした。

また、ビーチサンダルというとソールが薄くてフロント部分が小さく、電車の移動時などは、つま先が少し怖いというのがありますが、ウーフォスのビーチサンダルはソールがかなりガッチリしていて、足指の先がソールの前に出ないようにデザインされているので、安心感はだいぶ大きいです。(ヒールに足の甲を踏まれたりってのは避けようがないですが)

3泊4日でフェスに参加して猪苗代湖にも浸かり、会津若松を歩き回って観光しても、心配していた靴擦れもまったくありませんでした。

 

サイズ選びの参考に

f:id:kentarot:20190903090204j:plain

 参考までに履いてみた状態を上から撮ったものです。時間帯や体調などによって微妙な変化はあるのでしょうが、僕の足は実測値では25.0㎝から25.5㎝くらいです。

ふだんは、ビルケンのサンダルなら25㎝(EUR39)、VANSのスリッポンは26㎝(UK8、EUR41)を履いていますが、ウーフォスのビーチサンダルだと「26㎝(M7-W9)」のサイズがフィットしました。サイズ26㎝でもだいぶつま先にゆとりがあるデザインなのではないかと思います。

VANSのスリッポンと同じように、やや大きめのサイズを選んだ方がいいかと思われます。ただ素足で履くものですし、ソックス等での調整も基本的にはしないものでしょうから、やはり試し履きができるならば試し履きをオススメします。

 

ヒザに痛みを抱える者として

僕は10年以上前に左ヒザ靭帯を痛めてしまって、ちょっと走ったり、ソールの薄いサンダルで歩き回ったりすると、ときどきその痛みが出てしまうことがあるのですが、いままでひと月ほどこのウーフォスリカバリーサンダルで生活してみたところ、その痛みもほとんどありません。

むしろ足がラクなので積極的にこのサンダルを履いているくらいで、このソールや構造を生かしたデザインのいいスニーカーなどが発売されるなら、ちょっとほしいくらいに感じてしまっています。

 

というわけで、夏フェス、そしてなによりも夏はやっぱりビーチサンダル履きたいけれど、足が疲れるし、ソールが薄くてヒザや腰に来るのがなあ…という人には激オススメのアイテムです。

お値段は7000円ちょっとビーチサンダルとしてはお高いですが、僕はひと月でもうお値段ぶんは回収したかなあ、といいうくらいヘビーローテーションしてます。

たぶん来年も新しい色で気に入ったのがあったら買ってしまいそうな勢いです。来夏のために在庫処分セールとかないかなあ。

 

f:id:kentarot:20190903090154j:plain

ひと月はいたところ、鼻緒の塗装が少しひび割れてきました。これをボロいというか、履き込んだための味というかは、それぞれ価値観の分かれるところですが、僕は古着好きなのもあってと考えるようにしています。 

 

ちなみにDUST AND ROCKSのオーナー、THE COLLECTORSの古市コータローさんも履いてらっしゃるようです!ファンとしては嬉しいですね。こういうの。

#Filmisnotdead 出展編

さてさていよいよ展示当日の5月26日です。10時ごろから搬入可能ということなので、紙袋につめたパネルを両手に原宿の「デザインフェスタギャラリーイースト」へ。

 

f:id:kentarot:20190826063842j:plain

(デザインフェスタギャラリーの壁はペインティングがすごいです) 

 

www.takeyourtime.me

(上記の記事は出展準備編です)

 

搬入

到着すると、すでに出店者向けの展示の際の注意が主催者からされていて、6,7人の輪ができていました。途中から輪に加わり、さも最初からいるようにフムフムと話を聞きました。

注意点は公式サイトにある諸注意の再確認だったので、話が終わるなりセコセコと準備にかかります。水平器なども特に持っていないので、フィーリング水平でパネルを貼っていきます。

僕らのスペースはギャラリーの入り口から一番近い場所で、なかなかの好位置。入ってきた人が全員前を通るゾーンなので、それなりに緊張感もありました。

周りを見回せば慣れた手つきで展示を開始しているほかの出展者の方々が。OHPのフィルムに印刷したり、おびただしい数のL版パネルを立体的に組み合わせたり、ゼラチンシルバープリントのアーティスティックな創作写真(5ケタの値段がついてる!)をレーザー水準器でちゃんと計測して展示したりと、なんだかプロい展示にビビりながらも自分の展示の準備です。ここまできたら腹をくくるしかありません。

 

Photo Cube

前回のブログ「#Filmisnotdead 出展前夜」では触れなかったのですが、僕の展示にはスクエアにしたパネルのほかに、もう一点の出展物がありました。

こちらは立方体のキューブに写真を貼り付けたキューブ状の展示物で、準備時のメモでは「Photo Cube」という名前にしていました。

写真はそもそも二次元的な表現で、ほとんどの場合、壁のような平面に展示されるのが一般的ですが、そこに何かちょっと一工夫できないかと思ったわけです。

僕の展示タイトルは「するひと  People Do Something」ということで、何かをしている人をテーマにしているので、せっかくなので見に来てくれた人がなんらかのアクションを取ることでより「写真を見る」ということに動的な要素を持ち込めないかと考えてのものでした。

モノ自体は発泡スチロールでつくったキューブにスチレンボードのパネルを貼り付けたもので、上面にフックを取り付け、テグスで吊るしただけです。

同一のモデルさんの違うアクションの写真パネルを4面に貼り、上面に「さわる ふれる みる」というメッセージを入れて、触って鑑賞してもらうようにしました。

ちなみに気になって底面を見た人には「いま、あなたは『するひと』です」という言葉をある種のオチとしていれてみました。

 

f:id:kentarot:20190826063905j:plain

展示スペース全体はこんな感じになりました。左側に浮いているように見えるのが「Photo Cube」になります。重量自体はほとんど発泡スチロール製なので非常に軽く、外から入ってくる風やちょっとした人の動きが作り出す風をうけて、ゆらゆらくるくると動いていました。

 

「いいね」カウンター実装

テーブルにはプリントを依頼した「彩色兼美」さんのサイトのQRとそれぞれの写真の使用機材とフィルムのデータ、コメントノートとカウンターを用意しました。カウンターはあの交通調査などで使うカチカチするやつです。AMAZONで1000円ちょっとで買えます。

 

カウンターを置いたのは、自分が展示を見に行った時に感銘を受けたとしても、ノートやアンケート等に何かを書いたりするのはなかなかハードルが高いため、それにかわる何かの足跡のようなものを残していただけたら嬉しいと考えたためです。

 

f:id:kentarot:20190826063859j:plain

 
オープン

11時からいよいよ写真展がオープンしました。初日は休日ということもあってなかなかの人の入り、僕の展示スペースでも多くの来場者が足を止めて見てくださいました。

事前に知らせておいた友人、被写体になってくださった方、プリントを依頼したラボの「彩色兼美」の方も来てくださって、差し入れまでいただいて本当にありがたかったです。

自分の写真を見てくださってる来場者に声をかけるべきか、かけないべきかとても迷いました。いろいろと説明したほうがいいのか、それとも黙って見ていただいた方がいいのか、写真展示の難しいところです。

聞かれればもちろん、できる限りのことはお話ししたいのですが、結局、友人以外は誰からも特に写真について問われることはなかったので(そもそも僕が出展者だということが一般の方には分からないので)、そのまま見ていただくことにしました。

はじからはじまで丹念に見てくださり、狙い通りにキューブに触れて、まわして、見てくださっている方がいるだけで僕としては大満足でした。

一日目終わってのカウンターが差していた数は「82」でした。嬉しいことにコメントノートにも書き込みが。原宿界隈は外国人が多いエリアではありますが、海外からきてコメントを書いてくださった方もいて、改めてデジタルデータではなく「モノとしての写真という表現」のもつチカラを感じたりもしました。

展示初日の終わりには出展者有志で乾杯をして(スパークリングワインを差し入れしてくださった方、ありがとうございます!)、初めての写真展示の一日目が無事に終わりました。軽い疲労感の中にも満足感のある一日でした。

 

f:id:kentarot:20190826063855j:plain

(ギャラリーの様子)

 
平日在廊

なか二日をあけて、平日に在廊してみました。展示物が破損していないか、写真がはがれていないかをチェックしにいくという目的もあったのですが、展示した時と同じ状態で壁には無言のモノクロ写真が並び、キューブは風にゆらゆらと揺れていました。

休日だった初日に比べると、ギャラリーは夏の終わりの区民プールのようにひっそりとしていました。途中、外国人のツアー客が団体で来場していましたが、それ以外は本当にちらほらという感じでした。

ほかの方の展示をひととおり拝見し、ギャラリー内をくまなく探検。外国人観光客がちらほらといる以外はとても静かです。僕らの展示スペースへの来場者もいないため、在廊していたほかの出展者とすこし雑談。ギャラリー前のテラスで気持ちのいいコロナビールを1本飲み干し、2時間程度で撤収しました。

 

最終日

最終日は午後から在廊。また休日で多くの来場者が見えました。コメントノートにいただいた言葉も増え、なんの間違いなのか「いいね」カウンターがまさかの4ケタに。

 

f:id:kentarot:20190826063908j:plain

誰かが間違ってカウンターの横のツマミをまわしてしまったのかもしれないのですが、前回みた時より下2ケタの数字が減っているので、ちょっと現象としては特定できない感じです。

数字が1111になってしまって、そこからまたカウンターが押されて1156という数字になった可能性もありますが、見ていると複数回「いいね」してくださっている来場者もいらしたので、リアルに1156までカウントされたのかもしれません。というかそう思いたいところです。

そして、最終日になって自分の「やらかし」に気づきました。なんと展示ブースに出展者名を記載するのをすっかり忘れていたのです。ギャラリー側で用意していただいた案内図には記載されていたので、情報があるにはあったのですが、やっちまったという感じで、あわてて出展者名をカウンターの横に書きました。

 

そこここで交わされる写真談義があり、久しぶりに会った方々どうしの近況報告があり、やがてそれらの数が少なくなっていき、展示の終わりが近づいてきました。

夕方ごろから誰とはなしに撤収作業が始まりました。搬入時と違って、水平を出したり、レイアウト構想通りに陳列したり、といったこともないので、ぺりぺりとパネルを剥し、壁に残った「ひっつき虫」を回収し、キューブのテグスを切り、テーブルをたたんだら、もう撤収完了です。

 

展示が終わった後はギャラリー内にあるダイニングバーのオープンテラスで打ち上げ。ほかの出展者とお話をしているうちに、実はバリバリなプロフォトグラファーの方がいたりしてちょっとビックリ。いや、なんも知らなくてお恥ずかしい限りです。

アルコールも手伝って、ちょっと気が大きくなったところでする写真談義は、とりとめもなく、そして楽しく、初夏の夜の時間はあっという間に過ぎていきました。

それぞれの写真の入った袋を抱え、「またやりましょー!」という、守られるかまだ分からない約束をして帰路へ。こうして僕の初の写真展への出展が終わりました。

 

まとめ

準備は大変で、お金はそれなりにかかり、展示はやはり緊張するものですが、やはり、参加してよかったと思います。人とつながりができたこともありますが、自分の撮った写真群を、不特定多数の方が、身体性をともなった行為として見ているのを見るというのは、やはり何にも代えがたい経験でした。

反省することもたくさんありますが、あまりシリアスに考えずに、また次の機会があったらゼロからやっていくことにしたいです。

最後になりますが、モデルになってくださったみなさん、主催のデザインフェスタギャラリーさん、僕を誘ってくれた写真仲間、出展者の皆様、そして来場していただいた皆様に感謝を。本当にありがとうございました!

 

designfestagallery-diary.blogspot.com

デザインフェスタギャラリーさんの公式ブログで、僕の展示についても書いていただきました。多謝多謝!