「Outhere」「One on One」に続き、今年も行ってきましたポールの日本公演。今回は奮発してS席をゲット。もちろん昨年のような奇跡は起きませんでしたが、けっこう近く感じられる席で、しかも両サイドが空いていたので腕を振り上げたりもしやすく、立ちっぱなしで楽しんできました。下記は前回のツアーでの奇跡の詳細です。
今回は全米チャートで1位を獲得した『エジプトステーション』を引っ提げてのツアー。僕もひと月ほど前に初回限定版をゲットしてちょこちょこ聞いてからの参加でした。
エジプト・ステーション(初回生産限定盤)(特殊ソフトパック仕様)
- アーティスト: ポール・マッカートニー
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2018/09/07
- メディア: CD
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ちょうど二日前に奇妙礼太郎さんとトモフスキーの対バンを聞きに行って、そのとき礼太郎さんがいっていたのですが、「もうポールクラスになると曲名が"I Don't Know”とか"Do it now"みたいなシンプルなのでなんとかなってしまうのがすごい」という話をしていました。
なんとなく言いたいことがわかります。キャリアのないミュージシャンがそういったタイトルをつけるのと、ポールがつけるのは言葉の重みが違うというか。マーチン・ルーサー・キングが"I have a dream”という時と僕らのような凡俗がそれを言う時とは意味合いすら変わってくるというか。ポールがいう"Do it now"はどこか哲学的な意味すらあるんじゃないかと感じてしまいます。
さて、ライブ。セットリストは前のツアーとも前の前のツアーともかぶっています。ちょっと例えとしてあっているかどうかわかりませんが、約束事はある程度までは決まっているミュージカルや演劇に近いライブといえるかもしれません。
もちろん初めてくる方は、新曲よりは知っている有名曲をやってほしいと思っているだろうし、僕もポールを聞くからにはレリビー、ヘイジュード、ブラックバードあたりはどうしてもききたい。
そしてゴールデンスランバーも、アイブガッタフィーリンも、オブラディオブラダも…と、オーディエンスの「これはどうしても聞きたい」というのの最大公約数的なセットリストを組んでいくと、今のような選曲になるのだなあと思うわけです。
今回は新しくホーンセクションの3人も加わって、アリーナ席中央を吹き歩くという演出が加わっていました。アリーナ席にポールが下りるのはセキュリティ的にもなかなか厳しいでしょうが、花道を作ってセンターに出てきてくれたりしないかなーと本気で思いました。海外のミュージシャンはあんまりやらないでしょうが。次のツアーではぜひ検討してほしいものです。
今回面白かったのはエリナリグビーの歌いだしでコーラスをミスってやり直しという一幕。そのときのポールのとっさのひとこと"Proove it's live"(ほら、これがライブだって分かったでしょ)。会場は爆笑でした。なんかこういう場にいられるだけでもうれしいものです。
三列前に座っていたおじ様がずっと座って聞いていたけれど、アンコールでは立ち上がって大はしゃぎしていたのがとっても良かったです。なんだか音楽って本当にすごい。
ポールも今年で御年76歳。すこし心配だったのが昨年のツアー時より老けた、というかすこし元気がないように感じられたことです。年齢的なことを考えればあれだけのライブをやり続けているだけでも「存在自体が奇跡」みたいな人ですが。できるだけ長くそのレジェンドを見せてほしいものです。