Take your Time,Take your Life

クラシックギター、ソロギター、カメラ、音楽、映画がすきです。

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バンドトモフ ワンマンライブ初参戦 @渋谷O-WEST

トモフスキーとの出会い 

僕がトモフことトモフスキー(大木知之)を知ったのは、ちょうど昨年の今頃でしょうか。あの忘れえぬ2017年6月9日、「THEピーズ武道館」の熱狂から、転がり落ちるようにいわゆる「おじロック界隈」(ピロウズ、コレクターズ、フラカンなどなどを中心としたアラフィフベテランバンド)にハマり、ライブに行く頻度がかなりあがりました。

そして「はる」こと大木温之さんには双子の弟・トモフがいて、こちらもおなじくミュージシャンであることを知るのに、そう長くはかかりませんでした。

トモフを初めてみたのは猪苗代湖畔で行われるフェスのオハラブレイク2017。伊坂幸太郎原作の芝居の音楽担当をしていて、トモフのライブもありました。ワイヤレスがどこまで使えるかと、ステージを飛び出してお客さんの間を抜けて、会場をズンズン歩いていく姿にびっくりした記憶があります。

お客さんとの間に垣根を作らないというか、サービス精神がすごいというか、呼び止められてはサインに応じていた姿を覚えています。オハラブレイクでははるさんの「1人ピーズ」のライブもあったのですが、そこにはドラムで飛び入り参加、なんでもやっちゃうぶっ飛んだミュージシャンだというのが第一印象でした。

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ファンにサインするトモフ。奥でギターのチューニングをしてるはるさん。

調べてみるとマルチプレイヤーで、作詞作曲もすべて自分でやり、宅録でかなりの数のアルバムを自主制作していました。アルバムのイラストレーションやデザインもやっていて、マルチプレイヤーなだけでなく、歌って弾いて描けるマルチアーティストといったところです。

楽曲はキャッチーで一回聞けばコーラスにノッてくのも簡単で、実際ライブ映像などを見ると、ホントに楽しそうなのばかり。一方で詩は前向きの諦めというか、まっすぐなひねくれというか、リアリティのあるロマンチストというか、そういった相反するものをいっしょくたによじり合わせたような、独特の言葉の連なりからなっています。これにやられてしまう人も多いようで、僕もそのひとりになりつつあります。

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しかも発信もほとんど一人でやっていて、公式サイトのBBSにファンから寄せられたメッセージにも丁寧に返信をしています。ある種、この個人発信の時代を2000年ごろから先取りしてやっていた人だったわけです。

 

 水中音楽祭にて

 次に見たのは、だいぶ飛んで今年5月の水中音楽祭でした。スリーピースバンド「水中、それは苦しい」のジョニー大蔵大臣が主催するジャンルミックスなフェスで、出演しているミュージシャンがそのへんを歩き回って酒を飲んでたりする、とても牧歌的なフェスです。

ちょうど客席を探して歩いていたところ、前から歩いてきたトモフが気軽に挨拶してくれました。この「そのへんのにーちゃん感」が半端ない人ですが、ステージに立つと、もうホントにすんごいグルーブを作って、お客さんは盛り上がって、このギャップにやられてしまいました。なんといっても爆発力がスゴイ。

 「ちゃんとしたライブハウスでやるのをみたい」という気持ちがどんどん高まっていたところに6/2の渋谷O-WESTワンマンの情報。流れが来ているというやつです。いくしかない。

 当日

開場2時間前に様子を見に行くと、まだほとんど人もいなかったので、いちど道玄坂にあるサンマルクで時間をつぶし、戻ってきてみると7,80人のお客さんが集まっていました。その中に加わり開場を待っていると、怒髪天の増子さんぽい人が歩いているのを発見。(のちのMCによると増子さんがきてるみたいだったので、やはり僕が見たのは間違いなかったようです)

整理番号は130番台で前から6,7列目くらいのなかなかいいポジションに陣取れました。トモフは猫のイラストを多数描いていて、オフィシャルグッズの多くにもそのイラストが使われているのもあり、ステージ奥のカーテンには照明で猫のシルエットが映写されてました。(はるさんがカーテンを引っ張ってその猫を動かそうとしてるのがおもしろかった)

 

始まってからのことはもう、ひたすら楽しすぎて、コーラスで歌って、こぶしを突き上げて、ぐっちょんぐっちょんに盛り上がってあまり覚えてないです。聞いてみたいと思っていた「作戦会議」「映画の中」をアンコールでやってくれて、もうたまらん感じでした。

下にセットリストを書き起こしました。たぶん3時間弱くらいあったと思いますが、ホントあっという間の時間でした。終わった後にはひたすら多幸感と心地よい疲労感だけが残りました。これを言葉でいろいろ表したいのですが、なんとなく無粋な気がしてしまうので、このへんで。オハラブレイク2018も楽しみです。

 

 バンドトモフ 渋谷O-WESTワンマン セットリスト

スポンジマン(short.ver)
不死身FUNK

ムカシミタイニハアソベナイ
その2つ以外は
過去のドレイだ生きた化石
後ろ向きでOK
友達いなそー
ひとりに戻るんだ
引っ越し前夜
マイナスはマイナスのまんま
カオに出すな
Go!Go!Go!
コインランドリーデート
SKIP
いい星じゃんか!

(休憩)

新曲「52」
過渡期
フミキリの悪魔
人間
タイクツカラ
スピード
真夏
こころ動け
都合のいいジャンプ~不死身FUNK

○アンコール
作戦会議
フジミ(オリジナルver)
無計画とゆう名の壮大な計画
我に返るスキマを埋めろ
映画の中~スポンジマン~脳~歌う52才

ある若いギタリストの死とその兄の話 テレンス・マリック『ツリー・オブ・ライフ』を見る 

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テレンス・マリック監督作品『ツリー・オブ・ライフ』を見かえしました。いま是枝監督『万引き家族』の受賞で沸いている、カンヌのパルムドールを2011年に受賞している作品です。パルムドールと言えば、何をおいても『パルプフィクション』が好きですが、この『ツリー・オブ・ライフ』にはまたちょっとした思い入れがあります。

 

冒頭から宇宙の誕生、世代交代を繰り返してきた生命、ある種の絶滅…など地球の歴史をなぞるかのようなシーンが繰り広げられ、やがてその歴史の末端の人間の一家族の物語になっていきます。この家族とはテレンス・マリック監督自身の両親と兄弟です。

レビューで多くの方が触れている通り、ちょっとほかに類を見ないくらい映像が美しい作品です。このまま額にいれて美術館に展示できるくらいの画です。乳幼児や少年の目線から見える世界や、自然光に拘った画作りに圧倒されます。今なら8Kで見てみたいと多くの人が思っているのではないでしょうか。

ストーリーは物議を呼んだくらいに断片的で説明不足で、出演者であるショーン・ペンも「意味不明」とコメントしたらしいです。劇中でも神との対話とみられる突然のやりとりが何度もあります。

冒頭では旧約聖書の引用がされ、タイトルは直訳すれば『生命の樹』。いうまでもなくエデンの園に生えていた例の樹で、徹頭徹尾キリスト教的な世界観の物語です。恩寵が「光」で表され、この作品の随所でその美しさを使った演出がなされます。音楽もほぼクラシックで、宗教曲が多用されます。

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 LR

劇中、少年時代に「LR」という愛称でよばれている弟(三兄弟の次男)がクラシックギターを練習しているシーンが何回か出てきます。彼のモデルになっているのはラリーという名の監督の弟(マリック監督は映画と同じく三兄弟の長男)で、20世紀を代表するクラシックギターの巨匠・セゴビアの教えを受けるべく、アメリカからスペインに渡ったといわれています。

しかし、ラリーは留学先で伸び悩み、不幸なことに自ら両手の指の骨を折ってしまったそうです。ギタリストが指を自ら折るほどの挫折、絶望は想像することすらむずかしく、本当に胸が痛くなる話です。

さらに不幸なことに、心配した父が大西洋を渡ってラリーを訪ねたときには、彼はすでに自ら命を絶っていました。映画でも同じく弟の死の知らせを受け取るシーンがあります。直接その死の描写はないのですが、どうやら亡くなったということが間接的に描かれ、一家に暗い影を落とすこととなります。

若手のギタリストたちの渡欧

僕の友人にも若いギタリストいて、やはり彼らの多くもクラシックギターの本場であるヨーロッパで研鑽を積むために留学をしています。(日本のクラシックギター界である程度実績を残すと、ほぼおきまりのコースとして留学という道が開けてきます)そして留学中、あるいは留学後に成長した姿を見せてくれているところを見るに、やはり渡欧して得るものは多いようです。

自らの音楽家としての成長の確認と実績作りのために、彼らは現地で数多く開催されているコンクールに出場します。しかしながら、世界中から腕自慢が集ってくるコンクールで実績を残せる人は、そう多くはありません。

あるときにドイツでの長期間留学から帰ったギタリストが「(練習の成果が出ずに)気がおかしくなりそうなほどだった」ということを話していました。飄々としたお調子者の彼の口から出た言葉に、衝撃を受けたのを今でも覚えています。
60年代のテキサス州におけるクラシックギターシーンの様子は知る由もありませんが、ヨーロッパとの格差という点ではおそらく状況は似ていて、ラリーが味わった挫折もより具体的なものとして感じられます。

 

家族と音楽

ブラッド・ピットが演じる厳格な父親・オブライエンもマリックの父親がモデルとなっているようです。かつては音楽家を志していたが夢叶わず、その思いを長男テレンスではなく次男ラリーに託したようでした。

劇中にはピアノやパイプオルガンでバッハを弾いたり、次男のギターに伴奏をつけたりするシーンも出てきます。実際にシーンとしてはないけれど、「譜めくりが乱暴だ」と父に折檻されたという回想シーンがあり、音楽が一家の中で大きな役割をもっていたことが示されます。
次男ラリーがテラスでギターを練習していて、それにオブライエンがピアノ伴奏をして二重奏する場面があるのですが、とても短いけど美しいシーンです。これがのちの悲劇につながっていくと思うと、とても悲しいシーンでもあるのですが。

 

つながっていく

父親の夢を託され、60年代にテキサスからスペインに渡り、不幸な運命をたどったギタリストがいた。しかもその兄は、いまとなっては名優たちが「金を払ってでも出演したい」という映画界の巨匠になっている。

僕はテレンス・マリックの亡き弟がギタリストだったことは全く知らず、巨匠テレンス・マリック監督作品だからこの作品を見たのですが、意外なところからつながりというものはうまれてくるものです。

エンドロールにはクラシックギターを弾く人ならば一度は弾くであろう、超有名曲が流れます。きっとラリーが弾いていたその曲が、マリック監督の耳にずっと残っていたのではないかと思います。


それがこうしてたぐいまれな傑作を生み、パルムドールを得るという快挙をなしたのが、何かこう、クラシックギターが好きなものとして、「くる」ものがありました。

 

父親の音楽への挫折が無ければ、ラリーは音楽の道へ進まなかったかもしれない。

セゴビアがいなければ、ラリーはスペインに渡ろうとはしなかったのかもしれない。

ラリーの死が無ければ、テレンスはこの映画を撮らなかったかもしれない…

 

若いギタリストが渡欧の末に挫折して両手をつぶして自殺する…本当に悲しい物語です。しかし、そんなこんなをすべてひっくるめて、悲劇も死もすべてが意味を持ち、『ツリー・オブ・ライフ』として、ただつながっていく。ラストシーンではそれを象徴するかのように、うつくしい光の中ですべての存在が輝いていきます。


この圧倒的な「肯定」というか「賛歌」というか、あるいはそうであってほしいという監督の「祈り」を感じる時、心の底から打ち震えるような感動がやってきました。

 

監督業40年で5作目のマリック監督映画。というか、壮大な「俺史」。非常に私小説的で、私的な告白であり、私的な祈りともいえる作品で、人によっては「なんじゃこりゃ」な作品ですが、クラシックギターをやっているひとには、ちょっと違った味わいがするのではないかと思います。

  

アリが歩く時はどの足から動かすか知っていますか? -映画『モリのいる場所』を見る

モリとぼく

沖田修一監督『モリのいる場所』を池袋シネリーブル池袋でみてきました。

僕がモリこと画家・熊谷守一を知ったのは3年ほど前でしょうか。調べてみると「熊谷守一美術館」まで歩いて行ける距離に住んでいることがわかりました。モリが終の棲家とした地の跡地に美術館は建っていて、そこで初めてモリの描いた猫や自然の絵に出合い、一発で魅了されてしまいました。

昨冬から今春にかけて東京国立近代美術館で開催された「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」というモリの展示にも足を運びました。モリは「轢死」をテーマにカンバスに向かっていた時期があり、後期のポップな作風からは想像もできない、荒々しい絵に驚かされました。

仙人のような容貌(本人はそう呼ばれること嫌ったらしいですが)、ポップな絵、「へたも絵のうち」と言い放つキャラクター…そんなこんなで、この熊谷守一という画家にすこしずつハマっていったのです。

 

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映画になった

映画が5月に公開されることは、近代美術館の展示の際に告知がされていました。モリは「池袋モンパルナス」を代表する画家のひとりで、いわば地元といえる池袋の映画館にかかることはやはり嬉しいものです。もちろんシネ・リーブルでみるしかないです。

山崎努がモリを演じ、モリの奥さんを樹木希林が演じることは知っていましたが、それ以外は情報を入れずに見に行ったので、脇を固める俳優陣の豪華さにびっくりです。加瀬亮、光石研、吹越満にきたろう…油断すると松重さんとかが出てくるんじゃないかと思えるような贅沢なキャスティングでした。

沖田さんといえば『南極料理人』、『横道世之介』にみられるように、少しエキセントリックな人物のゆるやかな日常や、その場にただようオフビート感を描かさせたらピカイチの人で、この『モリのいる場所』でもその手腕は遺憾なく発揮されていました。

 

 モリの目で見ること

モリと言えば「アリが歩く時には、左の二番目の足から歩き出す」ことを発見したほどの恐ろしいまでの観察眼の持ち主といわれています。物語の中でも、モリの家の庭を訪れる多くの野生の生き物、草花が、ただただそのままに映し出されるシーンが多用されています。

アリがキビキビと歩き回る姿を微動だにせずにとらえ続けるカメラ。もちろん自然のアリなので(おそらく)何の意図もなく、ただ歩き回っているだけです。これを見続けることに、僕は正直にいって、じれったさや、居心地の悪さを感じずにはいられませんでした。

歩き回るアリ、風に吹かれてそよぐ葉、これでもか、と言うようにただただレンズは茫漠とした空間を切り取り続けます。

ふしぎなことに、冒頭にはじれったさを感じさせられていたこの映像に、次第に僕の目線は慣れていき、ある種のシンクロをするようになっていきました。ただ「見続けること」が、「強い意志をともなった行為」として感じられるようになっていったのです。

たぐいまれな観察眼を持った画家と、凡俗であるところの我々の間にある相容れなさ、この「じれったさを感じること(感じさせること)」というのが、監督のねらいのひとつであり、またこの映画にある種の普遍性をもたらしているのではないかと僕は思いました。

「モリの見ていた世界」を丁寧にくみ取り、再構築して観客に感じさせること。仙人と呼ばれ、なかば世捨て人のような生活を送っていた芸術家のまなざしを追体験させること。

すなわち「モリが見ていたように世界を見ること」により、熊谷守一という芸術家の豊かな芸術世界を味わわせることが、沖田監督のねらいだったのではないかと思うのです。「その人が見たままに世界を見る」ことは、他者への理解、共感、シンクロ…何とよんでも構いませんが、まさに「他者の立場に立つことはできるか」という普遍的な命題なのでないでしょうか。

 

掘ること

モリは30年以上にわたって自宅の庭から一歩も出ずに、いわば庭を小宇宙として生きています。決して広くはない庭にはモリが30年をかけて掘っているという池がでてきます。いわゆる村上春樹的な「井戸を掘る」と同じ象徴表現なのですが、こちらも非常にユーモラスに描かれていてよかったです。

モリの家の隣にマンション建設の予定があり、モリの芸術にシンパシーを感じしている若い学生などが、反対運動をしているのですが、そのことをモリは知らなかったり、このあたりは現在のSNSの風刺として面白かったです。

 

食卓を囲うこと

邦画における重要な象徴表現でもある「食卓を囲む」シーンが何度も出てきます。モリの人柄にひかれて様々な人がその場に居合わせますが、この作品の中での最大の人数が集まるシーンでモリが取る行動が、またいいです。公開中の映画なので今日はこの辺にて。

 

余談 カメラのこと

モリの家に通い、モリを撮り続ける若い写真家が劇中に出てきます。加瀬亮が演じる藤田武という写真家で、モリの一瞬をファインダーにとらえるために色々な工夫を凝らしたり、NIKONの一眼レフを手にひたすら待ち続けたりするシーンがコミカルに描かれます。

この藤田武は、モリの写真を撮っていた藤森武さんという写真家がモデルになっています。藤森さんは土門拳の弟子のひとりで、師の志を継ぎ、仏像の写真を撮り続けている写真家です。

藤森さんが撮ったモリの写真集『独楽 熊谷守一の世界』も、こんなふうに撮られたんじゃないかなと、ちょっと微笑ましくなるシーンがたくさんあり、カメラ好きとしてもたまらない感じでした。 

 

 

 『モリのいる場所』はまだしばらくは上映しているようです。この機会にぜひ、東京の片隅で、隠者のように描き続けた芸術家に触れてみてはいかがでしょうか。この何もかもが恐ろしい速さで流れていく世界で、きっとそのまなざしがもたらしてくれるものがあると思います。

GLIM SPANKY 武道館 に行ってきました!

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武道館で行われたGLIM SPANKY のワンマンライブに行ってきました。オハラブレイク2017、アラバキロックフェス2018と聞いて、すこしずつハマってきている男女二人のロックユニットです。

なにかの本で「毎週1枚、いままで聞いたことが無いミュージシャンのアルバムを聞くと、新しいアンテナが立つ」みたいなことを読んで、いままで聞いてこなかったジャンルや世代の違う人たちの音楽を聞くようにしています。

 

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(若大将からもお花が!)

昨年8月のオハラブレイクで、たまたま柵ごしに目が合ってしまって「あ、どうも」みたいに互いに会釈をした人が、実はこのグリムスパンキーのボーカルの松尾レミさんだったのですが、彼女がオハラでステージに立つまで、ぼくはその存在も全く知りませんでした。

彼女は26歳ですが、ジミヘン、ツェッペリンストーンズビートルズなどなどオールドロックに精通していて、それらを自分たちの音楽に反映させています。そのせいもあってかサウンドがおっさんホイホイな感じがあって、会場もかなり幅広い年齢層のお客さんがきていました。僕もその一人です。

その模様は兵庫慎司さんのブログにもつづられています。

 

松尾さんの出身地は長野県の人口数千人の村で、やはり、音楽で食べていくことに周囲の理解は無かったようです。そんな村からもお花が届けられていました。こういうお花はだいたいミュージシャン、芸能関係者やメディアからが多いのでちょっと面白かったです。

意志のある所に道は開けるのだなーと。

 

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本編の最後のナンパーは「大人になったら」本当に素晴らしかった!

 

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FOOLY COOLY 『GALLERY X BY PARCO フリクリクリ展』でピロウズにアガる

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(以下全てLEICA Q/Summilux 28mm F1.7)

 

渋谷の「GALLERY X BY PARCO」でやっている『フリクリクリ展』にいってきました。『フリクリ(FLCL)』は2000年のガイナックスのOVA作品。外連味たっぷりの演出で今でもカルト的な人気のある作品です。

今秋に実に17年ぶりに劇場版が公開されることになり、それにあわせての展示のようでした。土曜の昼に行ったのですが結構な数の人が訪れていて、外国人のお客さんも多かったです。

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漫画版を手掛けたウエダハジメさんのイメージラストやフリクリにインスパイアされたアーティストたちの作品群!

 


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各地から集った人々のアツいメッセージがたくさん。こういうのやっぱりうれしいものです。


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全6話の絵コンテなども全てみることができ、日本のトップクリエイターたちのスゲさがビシビシ伝わってきました。プロジェクターに本編が流され、BGMは当然のようにアニメの音楽を手掛けた『ピロウズ』の曲がガンガンにかかっていてブチアガリでした。

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ハルコのヘルメットも!こういうの見てる間にも「Ride on shooting star」とか「Last Dinosor」とかが鼓膜を震わせてるわけですよ。


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でっかいカンチのボード


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もちろん床には「P!」マーク。グッズを買うとステッカーがもらえたので、GETしてきました。


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ギャラリーを外から見るとハルコのベスパがデデンと。こちらの巨大なキーホルダーを売っていたので思わずゲット。


最近の展示によくあるようにすべて撮影OKでした。やー嬉しい!そして待ち遠しい!


いつまでもFOOLでCOOLにやっていきたいものです。

 

25年続けるということ 樋浦靖晃さん東京文化会館リサイタル

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クラシックギタリスト樋浦靖晃(ヒウラヤスアキ)さんの演奏会に行ってきました。樋浦さんは僕よりちょうどう10歳上のギタリストで、20代のころはパリに留学して研鑽を積んでいたそうです。

帰国後は音楽教室をやる傍ら、イーストエンド国際ギターフェスティバルを主宰し、まだ日本にはないギターフェス文化を根付かせようと尽力していらっしゃいます。

僕が初めて会ったのはたしか6年位前の、樋浦さんが奥さんの伴子さんと主催しているコンクールの、優勝者のためのリサイタルの時だったと思います。打ち上げでワインを飲みすぎて椅子から転げ落ち、そのまま寝るという衝撃的な出会いでした。たしか一か月くらいアザが残っていたと話していたと思います。

気さくで穏やかな人柄と、酒好きということですぐに仲良くなり、以来フェスへの参加やほかの演奏会の打ち上げなどで交流を続けてきました。

フェスも最初はキャパ140人くらいの「ティアラこうとう」でやっていましたが、約7年をかけて倍のキャパの「豊洲シビックセンターホール」で開催されるようになってきました。

こちらのフェスでは毎年2,3人の海外のギタリストをゲストに招かれ、素晴らしい演奏を聴くことができる貴重な機会となっています。クラシックだけでなくファン・ファルーのようなフォルクローレの国宝級のミュージシャンや、ヤマンドゥ・コスタのようなブラジル音楽の神様みたいな人も呼んでくれるので、幅広いファンが訪れています。

ただ、もちろんすごいギタリスト、たちなのでギャラもそれなりで、滞在費をおさえるために、自宅に泊まってもらい、車での移動も伴子さんが自ら運転手をやっています。それでも続けているのは、まだまだ発展途上の日本の聴衆に聞いてほしいギタリストがたくさんいて、彼らに触れる機会を増やし、日本のギター文化をもっと発展させたいという願いからとのことでした。

演奏家としてコンサートをやりつつ、教室運営と教授活動もし、フェスも主催するという超人的な活動をしているのですが、本人はいたって穏やかかつ剽軽で、いつもなんだか楽しそうな雰囲気のある方です。たぶん、ふつうに会っていてもその秘められたパッションに気づくことは出来なかったかと思います。

そんな樋浦さんが4/3、東京文化会館のステージに立ちました。20代のころコンクールに出ていた時以来とのことでした。東京文化会館でソロリサイタルをやるというのは、ロックバンドでいえば武道館でやるくらいの感じです。

ちょうど樋浦さんと30年来の付き合いがある作曲家の方と一緒に聞いていたのですが、樋浦さんの最初のリサイタルはお客さんが一桁しかいなかったとのことでした。

東京文化会館のキャパは650人ちょい。アンプラグドでクラシックギターのソロリサイタルをやるには、ほぼ限界の大きさです。それが昨晩は満員になっていました。胸が熱くなるってやつです。

 

演奏が終わって鳴りやまない拍手にアンコールは2曲。会場を全体を見まわして深々とお辞儀をする樋浦さん。なんだかドリーミンなひとときでした。

そして活動25周年にして、ソロデビューアルバムが出ました。物販で持ち込まれたCDは完売。サインには長蛇の列ができていました。

「慣れてないからさー、全然うまく書けなくて、ごめんねー」と困った顔で笑いながらサインしてくれました。

エレファントカシマシ 30周年ツアーファイナル さいたまスーパーアリーナにいってきました

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3/17、3/18にさいたまスーパーアリーナで行われたエレカシのライブに行ってきました。17日は昨年の春からまわってきた47都道府県全か所でのツアーのファイナル。3時間半の超アツいライブ。

アンコールに「四月の風」をうたった時にみやじは思わず男泣き。小さいFM局の番組にも何度も出演し、丁寧にプロモーションしたきた集大成といった感じでした。

「四月の風」という歌は、レコード会社から契約を打ち切られた失意のさなか、96年に「何かが起こりそうな気がする」と再起をかけて作った曲といわれています。

それをアンコールに持ってきて歌ってる途中に感極まって泣く。これはもうもらい泣きっすよ。

 


翌18日は、「30周年ツアースペシャル」ということで、同時代の音楽シーンをリードしてきたミスチルスピッツとの夢の対バン。僕は両方とも初めて聞いたのですが、ステージングも含めてやはりとんでもないバンドたちでした。

特に桜井さんのアイドル感が半端なかったです。草野さんはもう年齢不詳過ぎて恐ろしい。少年のような歌声でした。やっぱこう「イノセントワールド」とかナマで聞くとブチアガリますね。

常々「時代を作ったアーティストは一度みておかねば」と思っているのですが(もちろん予算と時間の許す限り)、やはりナマで見るとそのチカラに圧倒されます。「CDだけで音楽を聞くのは、映画を映画館で見ずに家でDVDで見てるのと同じで、コンテンツの本来のチカラをほとんど味わえていない」と誰かが言ってましたが、ホントその通りだと思います。

ライブの最後はおそらく史上初にして(最後かも?)なエレカシミスチルスピッツのセッション!エレカシの代表曲「ファイティングマン」をやってくれました。ミスチルメンバーは練習してこなかったのか?ダンサーみたいになってました(笑)。もう最後になればお祭り騒ぎで、とにかく楽しかったです。

物販は17日の11時の時点で3000人が並んでるとの情報があり(開演は17時)、実際行ってみると並ぶのをあきらめる長蛇の列でした。Tシャツを大人買いしている人がたくさんいて、グッズの大半がソールドアウト。

ファンの年齢層がけっこう高いこともあり、1枚3000円のTシャツや5500円のパーカーがアホみたいに買われていきます。二日目の終演後にはほとんど並ばずに買えるようでしたので、ツアーTシャツをゲット。夏はこれを着てどーんと行きます!

 

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