Take your Time,Take your Life

クラシックギター、ソロギター、カメラ、音楽、映画がすきです。

MENU

ノエル・ビリングスリー GGサロンリサイタル ご来場ありがとうございました

去る3月3日にGGサロンにて開催しました『ノエル・ビリングスリー ギターリサイタル』無事に終了しました。ご来場いただき誠にありがとうございました。

 

www.takeyourtime.me

 

僕は会場設営と受付担当をしていたので、リハーサルを少し聞いた以外は本番の演奏を聞くことはできなかったのですが、お客様の反応を拝見するに楽しんでいただけたようで、うれしく思っています。

 

『アストゥリアス』『アルハンブラ宮殿の思い出』など有名なスペインもの中心に、『早春賦』のギターアレンジなどをちりばめ、大曲としては彼が得意とするブリテンの『ノクターナル』を入れ、聞きごたえのあるプログラムになっていたのではないかと思います。

ノエルさんのルーツでもあるイギリスの曲として、ラブレディの『今朝オマーに再び陽は昇った』も取り上げてもらいました。こちらは録音も少なく、演奏される機会もあまりない曲ですが、非常にクラシックギターらしい技巧が盛り込まれた聞きやすい曲で、楽しんでいただけていれば幸いです。

ギタリストの福田進一先生はじめ、スペインギター協会の諸先生方にも足を運んでいただき、そして予想を上回るたくさんのお客様にご来場いただけました。

沖縄から演奏者を呼んでの演奏会ということで心配なこともたくさんありましたが、無事に終えることができ、胸をなでおろしております。

今後、全国各地での演奏も増えていく演奏者の、GGサロンデビューのお手伝いができたこと、大変うれしく思っています。ノエル・ビリングスリーの名前をどこかでお見かけの際には、また足を運んでいただければ幸いです。

ご来場、ご支援、誠にありがとうございました。

 

f:id:kentarot:20190407150854j:plain

(爪を磨くノエル。本番前の楽屋にて。Leica M4/Summrit 50mm/Rollei RPX400)

 

センチ単位でオーダーできる「ルミエール カメラ」のロープストラップ

カメラのストラップというのは、実用性だけではなく個性の表現やファッションとしての楽しみがあるもので、何がいいとは一概に言えないものですが、僕が2年ほど使ってオススメするのはクライミングロープなどを使用した丸紐型のストラップです。

一般にカメラに付属してくるものは、メーカーのロゴを冠したナイロン製か革製で形状は平紐型のものが多いです。ライカQに付属しているストラップも革製の平紐で、ロゴが小さく刻印されてるシックなデザインは好きなのですが、いただけない点もあります。

まずは長すぎるということ。ユニバーサルな規格、あるいはドイツでのサイジングではあの長さでも問題ないのでしょうが、日本人の標準体型にとってはいささか長すぎるもので、首から下げるとブラブラしすぎますし、ベルトのバックルなどにあたることでキズの原因にもなります。

そして、もう一点はリングカバーがついてないため、カメラの軍艦部エッジに金属製のリングが当たってしまい、同じくキズがついてしまうことです。こちらは各メーカーから展開されているリングカバーを買うことで対処できるのですが、どうせならということでストラップごと変えてしまおうと思い立ったのが2年前のことでした。

 

平紐型はデザインも多く、見た目も惹かれるものも多いのですが、気になる点があって、それはハンドストラップのように右手に巻き付けて使おうと思ったときのフィット感というか「手へのなじみ」が弱いという点でした。

また、首からかけたり、たすき掛けしたり右手に巻き付けたりなどを繰り返していると紐がねじれやすいというのもストレス原因になります。

 

カメラ仲間にFUJIFILM Pro2に丸紐型のロープストラップを使っている人がいるので、ちょっと触らせてもらったところ、手に巻き付けたときのしっくりくる感じがあり、また平紐ストラップにありがちなストラップのねじれも無いため、次第に「丸紐にすべえ」と思い始めたのでした。

 

ちょうどそのころハービー・山口さんのワークショップに参加して、ハービーさんの使用されているカメラなどを見せてもらったのですが、ハービーさんが使われていたのが丸紐型のロープストラップでした。

 

f:id:kentarot:20190326091137j:plain

(Leica Q)

ワークショップが終わって調べてみたところ、こちらはExtendede Photograohic Material社の「YOSEMITE CAMERA STRAP(ヨセミテカメラストラップ)」のようでした。(ちなみにカメラは「Leica M-P(Type240)」でレンズはLomography主催のワークショップだったため「Lomo LC-A MINITAR-1 Art Lens 2.8/32 M」をお使いでした)

「これだ!」とポチろうと思ったのですが、首からかけられるものはサイズ展開が105㎝~からとちょっと長すぎでした。写真を見ると分かると思いますが、ハービーさんもロープにコブを作って長さを調節されているようでした。

丸紐かつ短いストラップはないものだろうか?(できれば安く)と探してみたところ、みつかったのが「ルミエール カメラ」社のロープストラップでした。

 

lumierecamera.blog77.fc2.com

 

こちらはパラシュートに使われているコード(ロープ)でできているそうで、強度も問題が無さそうです。ヨセミテストラップで使われているクライミングロープと、こちらのパラシュートコードにどのくらいの強度の違いがあるか分かりませんが、おそらく1kgにもみたないカメラを吊り下げるにはどちらも問題が無いかと思われます。

80㎝~140㎝で長さの指定ができて、自分のカラダの大きさや使い方に合わせられるので、だいぶ購入に前のめりになりました。

 

ストラップのリングは「標準リング」と「細いリング」の2種類から選べるのですが、Leica Qだとどちらがいいのかがよくわかりませんでした。メールで質問してみたところ一日もたたずに画像検索してくださって「シャッター側の軍幹部エッジがアイレットから近いので、径の小さい「細いリング」で作ったほうが、軍幹部にリングが直接当る心配が無さそうです」という回答をいただけました。

丁寧に対応していただけたのもあり即オーダー。色は「BLACK」で、サイズは96㎝に指定しました。僕は身長が168㎝のやせ型の男性ですが、この長さだと首から下げてもベルトのバックルにあたらず、かつ、厚手のコートなどを着ていてもストレスなくたすきがけ出来ます。

 

f:id:kentarot:20190326085130j:plain

メール便で送られてきて、オーダーから受け取りまでは4日程度だった思います。ロープの径は7㎜でしなやかで滑ることもなく、手になじみ、手に巻き付けるのも楽です。右手に巻いて使ってから、首からかけたり、たすき掛けにしたりと、いろいろ持ち方を変えた際にもストラップがねじれることもありません。

幅の広い平紐型ストラップに比べれば、表面積が狭くなる分、どうしても重量分散の点では劣りますが、ライカくらいの重さのカメラであればまったく問題ないです。

 

f:id:kentarot:20190326085154j:plain

アイレット部分の拡大画像です。軍艦部にあるキズはQに付属していたストラップをリングカバーなしで使っていた時のもので、ロープストラップに変えてからはキズはついていません。2年ほどこちらのストラップを使っていますが、特に不便だと感じたこともありません。

 

注文は「ルミエール カメラ」のサイトには専用のオーダーフォームなどはないため、メールで指定されたフォームを入力してオーダーする形です。支払いも銀行振り込みのみですが、丁寧に対応していただき、発送までもとてもスムーズでした。

商品価格は税込みで5000円。送料が120円です。サイズオーダーができることもあり、上述の「EXTENDED」ヨセミテストラップ(10800円)や、「ARTISAN & ARTIST」のシルクストラップ(15120円~)、のLeica純正のスロープトラップ(7560円)に比べるとだいぶリーズナブルな価格設定なのではないかと思います。

 

もし現在使っているストラップにストレスがあったり、丸紐ストラップを使ったことが無い方は、ストラップ交換時の選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。見栄えはミニマルで主張がないため、個性的なストラップが好きな人には向かないと思いますが、使ってみるとその便利さとフィット感にハマるのではないかと思います。

 

www.lumierecamera.com

#filmisnotdead -Film Photography Exhibition- に出展します

 

#filmisnotdead -Film Photography Exhibition-
 
会期:2019.5.26(日)〜2019.6.1(土)
 
会場:Design Festa Gallery EAST 101, 102,  EAST アートピース

 

5月末に原宿の「デザイン・フェスタ・ギャラリー・イースト」で開催されるこちらの写真展に参加します。

 

designfestagallery-diary.blogspot.com

 

#filmisnotdead (フィルム・イズ・ノット・デッド=フィルムは死なない)は生産終了の情報があいつぐフィルム業界にあって、フィルム写真を応援しようと世界的に使われているハッシュタグです(ほかに#filmisalive とか#buyfilmとかもあったりします)。

展示会もその名の通りフィルム写真オンリーの作品展です。写真仲間が昨年出展していて、今年も出るということで誘ってもらいました。

 

先月末あたりからちょっとずつ作品撮りを始めています。「作品撮り」なんてカッコいい響きですが、ふつうに時間をみつけてはファインダーをのぞき込んでいる日々です。

まだテーマも絞り切れていないので、撮った写真をならべてみて、あとからテーマをつけるみたいな感じになりそうな予感ビンビンですが。

ライカM4で撮ったモノクロ写真オンリーの展示の予定で、何度かお世話になっている近所のラボでセコセコ引き伸ばそうと思っています。

 

www.ama-labo.com

 

初めてこういった写真展に出展するので何もかも手探り状態ですが、見た方にちょっとでも楽しんでいただける展示にできたらなと思っています。

デザイン・フェスタ・ギャラリーは建物自体がおしゃれな空間なので、遊びに気がてら見ていただけたら嬉しいです。

展示会まであと実質三か月。暇さえあればシャッターを切って、あとは写真の神様がほほ笑んでくれるのをひたすら待つのみです。もし近くにお立ち寄りの際には、よろしくお願いいたします。

 

 

f:id:kentarot:20190218234223j:plain

(Leica M4/Summarit50mm f1.5/Rollei RPX400)


金川晋吾、吉田亮人、上田義彦、家族をめぐる三冊の写真集

写真集が好きで、アマチュアながら写真を撮るための刺激を受けたいときや作風に魅入られたときなど(財布に余裕がある限りで)ときどき買っています。

最近手に入れた二冊の写真集がたまたま家族の写真だったのですが、それらを眺めていたら、昔から持っている写真集をまた見たくなったので、その一冊を合わせた三冊をご紹介しようかと思います。

 

f:id:kentarot:20190211214956j:plain

 
金川晋吾『father』

 

一冊目は前から気になっていた金川晋吾さんの写真集『father』です。蒸発グセのあるお父さんを中判カメラで静かにとらえた作品集。蒸発というとなにか修羅場のようなものを想像しがちですが、そんなドタバタは無く、ある日ふっといなくなってしまうお父さん。

残された走り書きのメモには「やっぱり生きていくのが面倒くさい」と、書き記してあり、こちらが写真集の帯にも使われています。

ことばだけを見ると何か不穏な想像をしてしまいそうになりますが、蒸発したときと同じく、戻ってくるときも行きつけのスナックにふっと戻ってきているという、ちょっとつかみどころのない人物のようです。

巻末に金川さんが当時書いていた日記が載っているのですが、ぬぐきれない人生におけるシリアスネスからの逸脱というか、なにかこう、空虚ではあるが悲劇的ではないというか、言い表せない虚無を相手にしているようなうすい絶望感に包まれています。

それは大きな絶望感ではなく、毎日足ぶみをしていたら、すこしずつすこしずつ地面がえぐれて行っているような、生命にヤスリがかけられていっているような静かな絶望です。ただ、写真にはそのギリギリのところでの生命力の片鱗のようなものが写っていて、それがまたなんともやるせない気持ちになってしまうというか。

なかなか言葉では表せない気持ちにさせられるのですが(だから写真で表現するのでしょうけれど)、VICEにとても詳しいインタビューが載っているので、興味があったらぜひぜひ読んでほしいです。

www.vice.com

 

 

吉田亮人『THE ABSENCE OF TWO』

もう一冊は、吉田亮人さんの『THE ABSENCE OF TWO』です。こちらは1月に発売されたばかりの新刊で、まだ書店の扱いも多いかと思います。現在出版記念イベントが行われていて、公式サイトではそちらのスケジュールも掲載されています。

 

www.akihito-yoshida.com

 

吉田さんのおばあちゃんと年下のイトコ・大輝さんの二人の生活のドキュメンタリー写真です。生活の様々な面で介助が必要になったおばあちゃんと、それに優しく寄り添う大輝さんの姿がモノクローム写真で綴られています。

こう聞くととてもハートウォーミングな写真集に感じられますが、ページをめくっていったさいごに、写真集のタイトル"THE ABSENCE OF TWO"の意味を知ることになります。

「苦しくて涙が止まらない」「ずっとこの写真のことを考える一日が続いた」…などの反響が帯に記されていてますが、僕もこの写真集を見終わって心穏やかではいられなかったのは確かです。

 

greenz.jp

 

こちらは『KYOTO GRAPHIE京都国際写真祭2017』という写真祭に展示されたもので、その様子は上記の取材記事に詳しく書かれています。ぜひぜひ紙に印刷された写真で見てほしい作品群です。

 

 上田義彦『at Home』

三冊目はこちら、著名人のポートレートを多く手掛け、広告写真家としても著名な上田義彦さんの『at Home』です。奥さんである女優の桐島かれんさんと、その間に生まれたお子さんたちとの生活を13年間にわたって撮影し続けたファミリーポートレートです。

ライカM4とモノクロームフィルムで撮り続けられた写真群。上田節ともいえる上品な淡いモノトーンの写真集で僕のお気に入りの一冊です。おそらく絶版になっていてなかなかお目にかかることが無かったのですが、数年前にクレマチスの丘を訪れたときにミュージアムショップで手に入れることができました。

残念ながら竹芝にあった上田さんの「ギャラリー916」は昨年閉廊していしまい、おおきなプリントで見る機会は減ってしまいましたが、写真集が手元にあるだけでもまあよかったなと考えるようにしています。

海、洋館のような家、庭、母子、増えていく家族…桐島かれんさんの美しさもあってどこか現実離れした物語のような家族写真です。ただそれもやがては失われていくものであり、それをとどめるささやかな営みが写真だということを強く感じる一冊です。

 

家族に、特に年老いてきた両親にレンズを向けるのは、なんだか難しいと感じるのは僕だけでしょうか。パッと撮るのは大丈夫なのですが、ちゃんと撮ろうとすると、どこか気恥ずかしく、写真を撮る意味を必要以上にあれこれと考えてしまう気がします。

 

f:id:kentarot:20190211214944j:image

 (富士フィルム30000人の写真展に出した1枚)

LEICA Q(ライカQ)を3年使ってみて便利だと感じている3000円以下のアクセサリー

純正ケースでギャフン

巷ではライカQの後継機「LEICA Q-P」が発表されて、ちょっと中古市場も落ち着いてきた感がある「LEICA Q」。いま購入を検討してる方も結構多いのではないでしょうか。

 

僕はちょうど3年前のいまごろ(主に値段的な部分で)さんざん迷った挙句にQを購入しました。ストレスのないオートフォーカス、便利なクロップ撮影、直感的に分かるwifiアプリ、機械式のマクロモード、そしてなにより素晴らしい画を吐き出すSummilux 28mm/f1.7とセンサーにノックアウトされ続けている3年間です。

自然とカメラを持ち出す機会も多くなり、ほぼ毎日のように通勤時も持ち歩いていたので、半年も経つとベースカバーの塗装が削れていました。またフィルムカメラと2台持ちの時に油断してカメラ同士がぶつかってしまうこともあり、純正品のプロテクターを購入しました。

 

こちらのケース、装着感はすばらしく、ホールド感も上がり、一安心と思っていたのですが、なんとケース下部のSDカード、バッテリー交換用の蓋がケースに干渉して開かないのです。一度ネジをまわしてケース自体を外してしまえばもちろん交換はできるのですが、いちいちそんな手間はかけられません。

そもそもの設計ミスなのか、ロットによるバラつきがあるのか、あるいはパチモノが出回っていたのか、当時はネットにあまり情報が無いため調べてもわからず、購入したマップカメラに返品して全額返金してもらうことになりました。

念のため銀座のライカブティックにも行って実物を見せて聞いてみたのですが、「設計ミスやコピー商品の流通といった報告は受けていない」とのことだったので、おそらく僕がつかんだモノが不良商品だったのでしょう。

今回のブログを書くにあたって、改めてネットでレビューをチェックしてみたところ僕と同じように「蓋が干渉して開かない」というレビューがちらほらあるので、ハズレを引いた人はほかにもいらっしゃるようです。

明らかにグリップは良くなりますし、質感などもとても気に入っていたので、別の個体を試そうかと思ったいたのですが、もうあの返品のやり取りなどをしたくないというのもあり、別のものを探すことにしました。

 

FIRST2SAVVV ブラケットキット

そこで発見したのがコチラの「FIRST2SAVVV  L型クイックリリースプレートブラケット ハンドグリップ Leica Q (TYP 116) 用」というハンドグリップつきブラケットキットです。お値段はなんと2700円。アート&アルチザンやゲリズのライカ用のケースなどと比べるとグッとリーズナブルなのではないでしょうか。

 

 

p> 

2700円なら勉強代として許容できる範囲だったというのもありポチリ。おそらく中国かどこかから船便でくるタイプのもので、本当に届くかどうか半信半疑だったのですが、そんな心配は杞憂に終わり1週間ほどで到着しました。

構造としてはカメラ全体を覆うようなケースではないのですが、コの字型のプレートががっちりとカメラの下部と左右を守ってくれます。そして何より片手で持った時のグリップ感の良さが別物になります。

「LEICA Q」は描画や速射性については何の不満もないのですが、全体的につるんとしたデザインのため、ちょっとグリップに不安を感じていました。いちおう右手親指部分がくぼんでいて、ホールド性を確保するデザインになっているのですが、少し心もとないくぼみです。

仕事で20分くらいの時間内に現場スチルを100カットぐらい撮影することがあるのですが、このグリップ感にはとても助けられています。もちろん街歩きのスナップ時にとっさにカメラを構えるときにも同様です。

 

 

f:id:kentarot:20190211121821j:image

装着するとこんな感じです。この向かって左側のくびれ部分に中指を添えると、力を入れずスッとカメラを安定させることができます。

見た目はすこしゴツクなってしましますが、もともとカメラ本体に対してレンズがデカいので、バランス的には良くなっているのではないかと個人的には思っています。アルミ製で250グラムとデータ上はちょっと重いですが、一日持ち歩いていてもその250グラムの増量が苦痛に感じたことはありません。

ライカのデザインをリスペクトしてそのままに使うことに美学を感じる方にはオススメできませんが、安全性をあげつつ、実用性を重視して、かつなるべく安くすませたい方には、とてもいいアクセサリなのではないかと思います。

 

f:id:kentarot:20190211121748j:plain

左側はこんな感じです。まさにバンパーといったところ。下部の六角ネジ(レンチは商品に付属してくるので別途購入は不要です)を外すことでこちらのパーツなしで使用することも可能です。全体がマットブラックに塗装されていて、カメラの素材との違和感も個人的にはあまり感じません。

 

f:id:kentarot:20190211121756j:plain

ベースプレートを下から撮ったものです。裏蓋用のスペースが確保されていて、とりつけたままSDカード、バッテリ交換ができるようになっています。三脚用のネジ穴もプレートに切ってあります。(しょっちゅう持ち歩いて、そのへん置いてあるのでホコリだらけです。スンマセン)

 

サムレスト

そして、こちらのプロテクトキットともう一つ重宝しているのが、『FIRST2SAVVV』 のサムレストです。お値段はビックリ1650円。純正品が目が飛び出るほど高いライカ製品。もちろんそれを使うステータスがあるのは分かりますが、あまりそこにこだわりも感じないので、僕にはこれで十分かなと感じています。

 

 

f:id:kentarot:20190211121809j:plain

装着するとこんな感じです。塗装の違和感もないですし、グリップ力は段違いによくなります。一点いただけないのはクロップ選択ボタンが押しにくくなります。ただ、これも慣れの問題なので、2,3回持ち歩けばあっという間に慣れます。

 

バッテリー

高機能でWifi連動もありますし、とかくQちゃんは電池をモリモリ消費します。プレビューを切って使うなどマメに省エネして使っている方は大丈夫なのでしょうが、僕はけっこうバッテリの消費スピードが早いです。

というわけで予備バッテリは常に持ち歩いています。こちらも純正品は10000円以上ととにかく高いのでSigmaの互換品(元はSigma dp2 quattro用のバッテリ)を使っています。もちろん純正品の使用が推奨されるために自己責任ということになりますが、こちらの1904円のものを3年使っていて全く問題ないです。

 

f:id:kentarot:20190211141101j:image
記載はいろいろ異なりますが、LEICA Q付属のチャージャーで問題なく充電できますし、非純正品のほうがバッテリ消費が早いなども(少なくとも体感的には)感じません。

 

f:id:kentarot:20190211122517j:plain

f:id:kentarot:20190211151718j:image

参考になるか分かりませんが、Summarit50㎜/f1.5を装着したM4との対比です。そもそもでっかいQちゃんですので、今回紹介したパーツを付けてもそんなにサイズ感は変わらないかなと感じています。

 

というわけで3000円以下で「LEICA Q」を使いやすくするアクセサリ紹介でした。振り回してこその「LEICA Q」。その振り回しやすさをちょっとだけグレードアップしつつ(お金をなるべくかけずに)カメラも守れたらなと。

 

振り回しやすさゆえに振り回しすぎて傷だらけにしちゃうのもちょっと心配、だけど高いケースにお金をそんなにつぎ込みたくないという方にはオススメかと思います。

 

f:id:kentarot:20190211145602j:plain

(代官山にて。LEICA Q)

 

石川直樹さん写真展『この星の光の地図を写す』に行ってきました。

東京オペラシティアートギャラリーにて開催中の写真家・石川直樹さんの写真店に行ってきました。個人の撮影したものでこれだけの規模の展示はなかなかなく、作品数も400点以上の充実ぶり。しかも僕がいった日はご本人が来館してのギャラリートークもありというモリモリな展示日でした。

(※ギャラリー内も撮影可能でした)

 

www.operacity.jp

 

僕は10年前には1人で北アルプスにでかけて、大キレットを踏破するくらいには山登りをしていた人間で、山野井泰史さんが個人的なヒーローでした。新田次郎、長谷川恒夫、植村直己、クラカワーなどの山行記、冒険譚にハマっていたこともあり、石川直樹さんのこともその延長線上にいる人間として知っていました。

 

世界中の高峰に登り、極点間を縦断し、環太平洋を巡り、古代の人々が洞窟に遺した壁画にレンズを向け、まさに世界を股にかけて写真を撮り続けている石川さん。しかも、メイン機はデジタルではなくPlaubel makina67(プラウベル・マキナ)という中判フィルムカメラ。フィルムカメラスキーとしては、もうとんでもない雲の上の人です。まさに雲の上に何度も行った人でもありますが。

 

nikomat.org

重たくてデカい(重量は1kg以上あります)うえに、フィルムの管理もしなくてはならないこのカメラをなぜ使うかといえば、ほぼ無尽蔵に撮れるデジタルと違って、1枚1枚に思いがこもるからとのことでした。

フィルム管理のたいへんさを物語るエピソードの一つとして、極点に近い場所で氷河を撮影した際に、フィルムの乳剤が凍ってバキバキになり、それが現像時にナゾの線になってしまって出てしまったとのエクストリームな話をされていました。

犬ぞりを使って極寒地を移動する際の写真はブレブレです。これはなぜかというと、犬ぞりというものは振動がひどくて、片手でそりにつかまってないとふるい落とされてしまうため、片手だけであのデカいカメラを操作したため、ピントも合わず、荒れてブレてしまったからとのことでした。

写真家として意図的にアレブレを狙うという表現があるのは分かりますが、石川さんのアプローチはそれとはまたちょっと違っていて、目指すところは「みたものと自分との関係性を撮っている」からとのことでした。

例えば犬ぞりに乗ってそれなりの技術的、機械的なサポートがあればいくらでもきれいな写真を撮影することは可能でしょう。ですが、まさにこの「極寒の地で片手でたくさんの犬が引くそりにつかまりながら片手でシャッターを切った」ということにより、その体験は唯一無二のものとして記憶されるからとのことでした。

 

f:id:kentarot:20190204200245j:plain



 K2登頂に挑戦して断念してしまった石川さんは、「せっかくだからK2はだめでもブロードピーク(世界で12番目に高い中国とパキスタンの間にある高峰)に登ってそこからK2を撮ろう」と、8000m級の山に登りなおして、K2を水平方向から撮るというということに成功しています。

このアングルからK2を捉えた写真は少なく「こっから撮った写真て珍しいんですよ」ということがわかってもらえたらなあとのこと。

 

 

K2を美しく撮影しようと思えばまた別の手段が(とんでもなく困難は多いでしょうが)あるのかもしれませんが、この「登頂には失敗したが、別の高峰からK2を撮る」という体験は、ほかの誰にもできない自身の経験として写真に残る。すなわち「自分と世界との関係性を写し撮る」ことになっているのではないかということでした。

人を撮るときでも、自然を撮るときでもこのスタンスは一貫していて、とにかく「いまここにいる自分」が世界の様々な様相を見るために「ここ」をとにかく水平方向にも垂直方向にも移動し続けているということでした。

 

f:id:kentarot:20190204200254j:plain

f:id:kentarot:20190204200258j:plain

上の写真にあるように展示はカーテンで仕切られた数個の部屋で構成され、それぞれの部屋のコンセプトによって壁の色も塗り分けられていました。写真の演出のために照明も様々に工夫されています。

特に面白かったのが『NEW DIMENSION』シリーズとして撮影された、古代の人々が壁に残した絵をおさめたものです。赤い壁の部屋の向かって左側の写真では、洞穴の壁や天井に無数の人間の手のひらが象られています。

 

これは「ネガティブ・ハンド」というもので、ある時期に世界に同時多発的に発生したそうです。ちょうど壁に手を置いて、上からペンキを吹き付けると手のひら型の写像が壁に残ります。いわば太古のネガ絵(陰画)で、これは写真の原点といってもいいものなのではないかというお話をされていました。

 

f:id:kentarot:20190205004831j:plain

こちらは太平洋を気球で横断しようとして失敗した際に、気球のゴンドラに積んでいたものとのことです。奇跡的にゴンドラが海岸に漂着し、それを拾い集めたもの。こちらの冒険の様子は『最後の冒険家』というノンフィクションにまとめられています。 

 

 

そして、今回の展示に合わせて散逸していた(石川さんの言葉通りに言えば「どっかいっちゃったり、無くなったりしたフィルム」)フィルムを編みなおし、この展示と同じタイトルを冠した写真集が発売されました。

ちょうどギャラリーショップで購入者へのサイン会もあったのですが、とんでもない長さの行列だったのもあって断念。ほかの本屋で立ち読みしたのですが、素晴らしいです。

 

そしてこちら、『北極カバー版』と『南極カバ―版』の2冊があります。内容は同じですが。2冊を両方買うことはたぶんないと思いますが、どちらかはいずれ購入する予定です。

 

いずれにしてもとんでもなく素晴らしい展示なのでぜひぜひ。自然写真をやる人もポートレートをやる人も、なにか突き刺さるものがあるのではないかと思います。

 

f:id:kentarot:20190204200250j:plain

石川さんが実際に使っていたテントと同じものに入れる体験ブースの前。来場者の皆さんの靴たちが、なにか整然と並んでいたのが面白かったです。

OLYMPUS PEN DとモノクロフィルムRPX400で『ザ・ブラボーズ』ライブを撮る

2年ほど前から『THE BRAVOS (ザ・ブラボーズ)』というヴェテラン・ロックバンドのメンバーと知り合う機会があり、数回ライブに足を運んでは写真を撮っています。 

ボーカルのビリーさんは昨年還暦を迎えましたが、たくましいカラダから迸るロックスピリットは、ホント胸を打つものがあります。バンドへの掛け声は「ブラボー!」とクラシック気味ですが。

 

僕はカラー写真よりモノクロ写真がどちらかといえば好きで、ここ数年はモノクロフィルム:カラーフィルムの比率が7:3くらいになっています。正確にカウントしたことはないですが、デジタルでもたぶん同じくらいの比率で撮っています。

そんなこんなで2週間ほど前に荻窪の『CLUB DOCTOR』で行われたブラボーズのライブに、年始に手に入れた『OLYMPUS PEN D』にモノクロフィルムを入れて、かぶりつきで写真を撮ってきました。

ライブが始まってしまうとポジションを移動するのがなかなか難しいので、どうしても同じアングルからばかりになっていまってますが、還暦を超えてなおロックし続ける男のカッコよさが少しでも表現出来たらなあと。

 

f:id:kentarot:20190202125412j:plain

f:id:kentarot:20190202125455j:plain

f:id:kentarot:20190202125432j:plain

f:id:kentarot:20190202125720j:plain

f:id:kentarot:20190202125533j:plain

 

f:id:kentarot:20190202125407j:plain

 

(すべて OLYMPUS PEN D/Rollei RPX400)

フィルムは『Rollei RPX400』を使用しています。数年前から柔らかい階調表現が気に入って使っています。基本的には薄暗く、ランダムに照明が明滅するライブハウスでISO400でのフルマニュアル撮影は難しいですが、まあそれもカメラの面白さのひとつかなと思います。

 

ライブ後、打ち上げにも顔を出させてもらってブラボーズのメンバーといろいろお話ししたのですが、『THE COLLECTORS』や『THE BLUE HEARTS』のメンバ―との交流の話がふつうにでてくるのが、まさに生きるレジェンドといった感じでした。

個人的には『THE COLLECTORS』のリーダーこと加藤ひさしさんのことが、その前身バンドの「『THE BIKE』の加藤くん」として出てくるのが面白かったです。何度か対バンしていたらしい。スゴイ!

 

『オリンパスペン』シリーズのようなコンパクトなフィルムカメラの振り回しやすさは、こういうときに大活躍するし、ハーフカメラで72枚撮れるというのも気兼ねなくシャッターが切れるという意味でいいな、と感じた初めてのモノクロフィルム撮影でした。